ドナルド・トランプ前米大統領は、15日にペンシルベニア州で行われた選挙集会中に発生した銃撃事件から一夜明けた16日、声明を発表し、「私は恐れない」と強調した。その上で、予定していた今後の集会を予定通り実施する意向を明らかにした。
事件の概要と容疑者
事件は現地時間15日午後6時過ぎ、バトラー市で行われた集会で発生。トランプ氏が演説中に複数の発砲音が響き、警護当局が直ちにステージから避難させた。トランプ氏は右耳を負傷したが、命に別条はなく、地元病院で手当てを受けた後、自宅に戻った。容疑者のトーマス・マシュー・クルックス氏(20歳)はその場で射殺された。FBIは単独犯とみて動機を捜査中だが、政治的背景は今のところ確認されていない。
トランプ氏の声明と今後の予定
トランプ氏は声明で「アメリカは団結すべきだ。暴力に屈してはならない」と訴え、共和党全国大会(18日からウィスコンシン州ミルウォーキーで開催)を含む今後の選挙活動を継続する方針を表明。関係者によると、同氏は既に16日午後に予定していた集会をキャンセルせず、代わりに非公開の支援者会合を開くという。
バイデン大統領の反応
ジョー・バイデン大統領は事件を受け、16日に緊急のホワイトハウス演説を行い、「政治的な暴力は民主主義の根幹を揺るがす」と非難。両陣営の対話を呼びかけ、選挙戦の沈静化を図った。また、トランプ氏との電話会談を行い、早期の回復を祈ったとされる。
専門家の見解
政治アナリストのジェームズ・ピーターソン氏(ジョージタウン大学)は「この事件はトランプ氏の支持者をさらに結束させる可能性がある」と指摘。一方で「暴力が政治を変えてはならないというメッセージが有権者にどう響くかが鍵」と述べた。
今後の選挙戦では、候補者の安全確保が最大の課題となる。シークレットサービス(米国土安全保障省)は既に全ての主要候補者に対する警護を強化しており、集会の会場セキュリティも厳格化される見通しだ。



