台湾の空の玄関口、桃園市がAIブームで急速に脚光を浴びている。エヌビディア(NVIDIA)のジェンスン・フアンCEOが台湾訪問時に開く会食「兆元宴(1兆元ディナー)」に参加する企業の約7割が、この桃園市に生産拠点や事業拠点を置いていることが、台湾のビジネス週刊誌『今周刊』の報道で明らかになった。
「兆元宴」とは何か
「兆元宴」という言葉は、この2年ほどで台湾のテクノロジー業界に急速に広まった。エヌビディアのフアンCEOが台湾を訪れるたびに、現地のサプライチェーンパートナー企業を招いて開く会食を指す。一見すると単なる企業間の会食だが、招待客の顔ぶれは台湾AIサプライチェーンの縮図そのものだ。
参加企業リストには、AIサーバーに必要な半導体、パッケージ基板、プリント基板、電源装置、放熱システム、筐体部品、システム組立、さらには物流・出荷まで、ほぼすべての工程を網羅する企業が名を連ねている。
桃園に集積するAI関連企業
直近の「兆元宴」に参加した20社超のうち、実に約7割が台湾北西部の都市・桃園に生産拠点や重要な事業拠点を置いている。この事実は、AIサプライチェーンを語る際、TSMCの本拠地であり半導体産業の中心である新竹や、大手企業の本社が集まる台北だけを見ていては不十分であることを示している。
桃園市は台湾桃園国際空港を擁し、航空物流のハブとしても機能する。サプライチェーンが1時間圏内で完結するという地理的優位性が、AI関連企業の集積を促進している。
桃園のポテンシャル
台湾の製造業を長年支えてきた桃園には、改めて目を向ける必要がある。『今周刊』は、桃園がAIサプライチェーンにおいて重要な役割を果たしていると指摘する。同市には、インベンテック(Inventec)やクアンタ(Quanta)などの大手電子機器メーカーをはじめ、多くのサプライヤーが拠点を構えている。
桃園市の産業集積は、半導体から最終組み立て、物流までをカバーしており、AIサーバーの生産における効率性を高めている。また、空港に近いことから、製品の国際的な輸送にも有利だ。
今後の展望
AIブームの拡大に伴い、桃園市への投資はさらに加速するとみられる。『今周刊』は、桃園が台湾のAI産業の成長をけん引する重要な地域になると結論づけている。



