「独立の父」の像が相次ぎ撤去
ミャンマーで、民主化指導者アウンサンスーチー氏(81)の実父で「独立の父」と敬愛されるアウンサン将軍の像が、相次いで撤去されている。国軍を設立した将軍は軍にとっても尊敬の対象だが、親軍政権には、民主派の象徴であるスーチー氏を父の像もろとも市民の目から遠ざける狙いがあるとみられる。
ヤンゴンの公園で撤去作業
7月下旬、最大都市ヤンゴン。地元の男性が指し示した公園の一角だった。そこには、がれきが散らばっていた。以前はここに高さ数メートルのアウンサン将軍の像が立っていたが、7月初旬のある夜に撤去された。撤去作業の周囲では、武装した警官らが警戒に当たったという。
周囲を掃除していた公園職員の女性に声をかけると、「邪魔だよ」と強い口調で話を遮られた。近くでは警官が目を光らせていた。
同じ夜に別の像も
同じ夜、市内の別のアウンサン像も撤去された。公園には今、ネットが張られ、中に入れない。地元の女性(70)は「怒りを覚えるが、私には何もできない」と声をひそめた。
現地メディアによると、2021年のクーデター以降に撤去された像は少なくとも12体に上り、このうち8体が6~7月に集中しているという。
「形状が不適切」と説明
親軍政権報道官は「像の形状が不適切だった」と説明するが、政治的な意図を疑う見方は強い。ヤンゴンの自営業の男性(65)は「今後も撤去が進むのではと不安だ」と話す。
アウンサン将軍は第2次世界大戦時、旧日本軍の支援を受け、国軍の前身組織「ビルマ独立義勇軍」を率いた。1947年に暗殺されたが、翌年のイギリス領からの独立に道筋をつけ、「建国の父」とも称されている。



