韓国半導体大手のSKハイニックスが10日、米ナスダック市場に上場し、調達額は約4兆円に上り、米国市場での非米国企業による新規株式公開(IPO)としては史上最大となった。AI(人工知能)の発達に伴う半導体需要の高まりが、世界有数のメーカーを擁する韓国経済に追い風となっている。
半導体好調が韓国経済を牽引
大東文化大学の高安雄一教授は「韓国は半導体に大きく左右される経済構造だが、今は半導体が非常に好調だ」と指摘する。サムスン電子とSKハイニックスの2社が主力とするメモリー半導体は、AIやデータセンター向け需要が拡大しており、輸出の好調が経済全体を押し上げている。
韓国半導体の強み:迅速な意思決定
高安教授は、韓国が半導体産業で世界的大シェアを獲得した理由として、財閥系企業の迅速な投資決定を挙げる。「メモリーの高性能化に伴い設備投資は巨額になるが、創業家出身のオーナーがいる財閥系企業は意思決定が速く、巨額投資に踏み切れる。決断の速さが強みだ」と述べた。
台湾との違い:メモリー集中の課題
韓国の主力はメモリー半導体だが、台湾はファウンドリ(受託製造)が中心である点が異なる。高安教授は「メモリーは韓国の独壇場だが、特定分野への集中はリスクもある」と指摘。今後の課題として、半導体以外の産業育成や、中国との競争激化への対応が必要としている。
今後の見通しと課題
韓国政府は半導体産業への大規模投資を表明しており、2026年6月にはソウル近郊に大規模な半導体製造拠点を建設する計画を発表した。しかし、高安教授は「半導体頼みの経済構造から脱却し、産業の多角化を進める必要がある」と警鐘を鳴らす。また、韓国国内の不動産価格高騰や格差拡大も課題として挙げられる。



