ロシアのプーチン大統領が、不法占拠する北方領土・択捉島を訪問した。この動きに、作家の司馬遼太郎さんがソ連時代に刊行した著書「ロシアについて 北方の原形」(文芸春秋)の一節が思い起こされる。
司馬遼太郎氏が指摘した「病的なほどの執拗さ」
同書で司馬氏は、ロシア史において他民族の領土を取った場合、「病的なほどの執拗(しつよう)さ」でこれを保持してきたと記している。プーチン氏の訪問は、この指摘を裏付けるかのような行動だ。
北方領土の歴史とプーチン氏の主張
ソ連は終戦間際の昭和20年8月8日に日ソ中立条約を一方的に破って宣戦布告し、翌9日から侵攻。一度も領土にしたことのない北方四島を占領した。しかし、プーチン氏は2024年に北方領土について「ロシアが主権を持つ領土」と主張している。
下院選控え政権浮揚の意図
司馬氏はまた、領土を元の持ち主に返すようなことがあれば「(その首脳は)その地位を失うことになる」とも書いた。ロシアでは9月に下院選が迫っており、政権浮揚を図る意図が透ける。「病的なほどの執拗さ」は、プーチン氏の権力欲に根差しているのかもしれない。



