長崎県対馬市の観音寺で盗まれ韓国に持ち込まれた後、昨年返還された県指定有形文化財「観音菩薩座像」の新たな複製が韓国で完成し、中部・公州の忠清南道歴史博物館が14日公開した。この仏像は高麗時代の朝鮮半島で製作されたとされ、観音寺側が複製を容認した3体のうちの一つである。
複製の特徴と違い
今回公開された複製は、現在の仏像の姿を忠実に再現している。一方、14世紀に仏像が納められたと伝わる忠清南道瑞山の浮石寺が5月に公開した複製は、「制作当時の姿を取り戻す」として金色に塗られていた。今回の複製は経年変化による現状の色合いや風合いをそのまま再現した点が特徴だ。
盗難から返還までの経緯
仏像は2012年に観音寺から盗まれ、韓国に持ち込まれた。韓国当局が窃盗団を摘発し回収。浮石寺は「かつて倭寇に略奪された」として引き渡しを求め提訴したが、韓国最高裁で2023年、観音寺の所有権を認める判決が確定した。返還後、観音寺は複製を3体に限る条件で韓国側に仏像の3Dデータを提供した。今回の複製はその1体で、もう1体は韓国の民間財団が所蔵している。



