三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、インドネシアの地方銀行を買収する方針を固めた。複数の関係者が明らかにした。買収額は数百億円規模とみられ、東南アジア最大の経済規模を持つインドネシアでの事業基盤を強化する狙いがある。
買収対象と背景
買収対象は、ジャカルタに本拠を置く中堅地銀で、個人・中小企業向け融資に強みを持つ。MUFGは既にインドネシアで銀行や証券会社を展開しているが、今回の買収でリテール分野でのプレゼンスを一段と高める。インドネシアは人口約2億7000万人と東南アジア最大で、経済成長率は年5%前後と高い。中間層の拡大に伴い、個人向け金融サービスの需要が急増している。
MUFGの東南アジア戦略
MUFGは「アジア戦略」の一環として、東南アジアでの事業拡大を加速している。既にタイ、ベトナム、フィリピンなどで現地金融機関と提携・買収を進めてきた。今回の買収により、インドネシアでの店舗網を拡大し、法人向けだけでなく個人向けサービスの強化を図る。MUFGの幹部は「インドネシアは成長市場であり、地元に根ざした金融サービスを提供する」とコメントしている。
業界への影響
インドネシアの銀行業界は、地銀が多く存在する一方、外資系銀行の進出も活発化している。MUFGの参入により、競争が一層激化するとみられる。また、日本のメガバンク間では、東南アジアでの生き残りをかけた攻防が続いており、三井住友フィナンシャルグループやみずほフィナンシャルグループも同地域で積極的な投資を行っている。
今後の見通し
MUFGは、買収手続きを年内にも完了させたい考えだ。現地規制当局の承認を得た上で、2024年度中に買収を完了する見通し。買収後は、MUFGのグループ企業として、デジタルバンキングの導入なども検討する。インドネシアではスマートフォン普及率が急速に高まっており、フィンテック分野での協業も期待される。



