EVシフト加速、中国自動車産業が岐路に立つ
EVシフト加速、中国自動車産業が岐路に

中国における電気自動車(EV)への移行が加速している。2024年の新車販売台数のうち、EVとプラグインハイブリッド車(PHV)を合わせた比率が50%を超える見通しとなった。これは世界最大の自動車市場である中国で、ガソリン車が急速に主役の座を追われつつあることを示している。

販売データが示すEVシフトの実態

中国乗用車市場信息聯席会(CPCA)のデータによると、2024年1月から11月までの累計販売台数において、EVとPHVのシェアは約47%に達した。12月の販売が好調で、年間では50%を超えることが確実視されている。2023年のシェアが約35%だったことと比較すると、その伸びは著しい。

一方で、ガソリン車の販売は前年比で15%以上減少している。特に、日系や独系の外資ブランドは販売減少に苦しんでおり、一部の工場では生産調整を余儀なくされている。

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中国メーカーの攻勢と競争激化

中国国内メーカーはEVシフトを追い風に存在感を高めている。比亜迪(BYD)は2024年に全世界で300万台以上の販売を見込み、EV専業メーカーとして世界首位を走る。また、上海汽車や蔚来汽車(NIO)なども高級EV市場でシェアを拡大している。

「中国の消費者はテクノロジーとデザインに敏感で、EVはそのニーズに合致している。ガソリン車からEVへの切り替えは今後も加速するだろう」と、上海の自動車アナリスト、李強氏は指摘する。

外資メーカーの苦境と戦略転換

外資メーカーは中国市場での存在感低下に直面している。ドイツのフォルクスワーゲンは中国での販売が減少し、一部の内燃機関工場の閉鎖を発表した。日本のトヨタもEV投入を強化するが、中国市場でのシェア回復は容易ではない。

「外資メーカーはこれまでガソリン車で高い収益を上げてきたが、EVシフトに乗り遅れた。中国メーカーの価格競争力と政府の支援が、市場を大きく変えている」と、北京の産業コンサルタント、王芳氏は語る。

政府政策とインフラ整備

中国政府はEV普及を後押しする政策を継続している。購入補助金や税制優遇措置に加え、充電インフラの整備も加速。2024年末時点で中国全土の公共充電器は約300万台に達し、2025年には500万台を目標としている。

また、新エネルギー車(NEV)の生産義務化や、ガソリン車の販売禁止に向けたロードマップも検討されており、業界関係者の間では「2030年までに主要都市でガソリン車の新車販売が禁止される可能性がある」との見方も出ている。

産業構造の転換と雇用への影響

EVシフトは自動車産業のサプライチェーンにも大きな変化をもたらしている。エンジンやトランスミッションなどの部品メーカーは需要減少に直面し、一方でバッテリーやモーター、半導体などの分野に投資が集中している。

「部品メーカーの再編は避けられない。雇用の移動も生じるが、新たなEV関連の雇用も創出される」と、清華大学の自動車工学者、張教授は述べている。

中国自動車工業協会の予測では、2025年のEV・PHV販売台数はさらに15%増加し、新車販売の60%近くを占める可能性がある。ガソリン車の市場縮小は不可逆的であり、中国自動車産業は歴史的な転換点にある。

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