中国が東シナ海で「管轄海域」主張、日本との緊張高まる 南シナ海仲裁判決から10年
中国、東シナ海で「管轄海域」主張 日本と緊張

中国が南シナ海の大半を囲むように引いた「9段線」に基づく「歴史的権利」を否定した仲裁裁判所の判決から12日で10年を迎えた。判決を拒否し、実効支配を進めてきた中国は、東シナ海でも「管轄権」を主張する行動に乗り出し、日本との緊張を高めている。

シンポジウムで中国側が判決を「政治的な茶番」と批判

南シナ海に面する中国南部の海南島で、中国南海研究院が主催し、判決から10年間の影響と評価を議論するシンポジウムが8日に開かれた。中国政府代表団の一員としてベトナムとの境界画定交渉に参加した経験を持つ研究院の呉士存・学術委員会主席は、中国などの学者ら約100人を前に判決を「政治的な茶番」と断じ、次のように述べた。「今回は我々の議題を日本による最近の挑発にまで拡大しなければならない。すなわち『一つの中国』への挑戦であり、いわゆる台湾東側海域での中国の権益を無視した行為についてだ」

南シナ海仲裁判決の経緯と中国の対応

南シナ海の権利をめぐる仲裁裁判判決は、独自の境界線「9段線」を根拠に南シナ海のほぼ全域に権利が及ぶとする中国の主張は国際法に違反するとして、フィリピンが2013年、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所に提訴した。国連海洋法条約に基づいて設置された仲裁裁判所が下した16年7月の判決は、「9段線」には法的根拠がないとフィリピンの主張をほぼ全面的に認めた。中国側は判決を「紙くず」などとして受け入れを拒否。その後も南シナ海で軍事的、法的な整備を進め、既成事実化を図ってきた。

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日本の対応を巡る新たな緊張

南シナ海が主なテーマだったが、呉氏のあいさつに続くように、他の参加者からも日本で「新型軍国主義」が台頭しているといった、昨秋の高市早苗首相の台湾有事をめぐる国会答弁以降に中国政府が強める批判に沿った発言が続いた。中国が新たに問題視しているのは、日本が台湾東側の海域で中国の「管轄権」を侵害しているという主張だ。中国海警局は、台湾東側の日本の排他的経済水域(EEZ)内で公船によるパトロールを強化しており、日本政府はこれに対し、中国の行動は国際法に反するとして抗議を続けている。

中国の「管轄海域」主張の拡大

中国は南シナ海だけでなく、東シナ海でも「管轄海域」の概念を拡大している。尖閣諸島(中国名・釣魚島)周辺での中国公船の領海侵入は常態化しており、2023年には過去最多の侵入日数を記録した。さらに、中国は台湾東側の海域でも「歴史的権利」を主張し、日本のEEZ内での活動を正当化しようとしている。これに対し、日本政府は中国の主張を認めず、国際法に基づく平和的な解決を求めている。

今後の見通し

南シナ海仲裁判決から10年が経過した今も、中国は判決を無視し、自国の主張を押し通す姿勢を崩していない。東シナ海での緊張は今後さらに高まる可能性があり、日本を含む関係国は中国の行動を注視しつつ、国際法の枠組みの中で対応を迫られている。

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