アジア各国がソフトパワー強化にしのぎ、韓国勢が存在感示す
アジア各国がソフトパワー強化にしのぎ、韓国勢が存在感

アジア各国が音楽や文化といったソフトパワーの強化にしのぎを削っている。韓国は経済危機後の改革で家電やコンテンツ分野で存在感を高め、日本勢はブランド力を失った。日本の音楽業界が海外進出に消極的だったことも影響した。

韓国は危機を機に改革、日本はデフレでブランド崩す

1997年、日本は山一証券破綻などの金融危機、韓国はアジア通貨危機で経済が大打撃を受けた。その後の対処のスピードは正反対だった。韓国は直後に国際通貨基金(IMF)の緊急融資を受け、融資条件だった経済改革を断行して財閥と産業界を一気に再編した。日本は官民が不良債権処理や事業再編にまごつき、デフレスパイラルに陥った。

アジア市場でブランド力があった日本家電の価格は韓国メーカーより1~2割高かったが、デフレに苦しむ各社は量を稼ぐために値下げし、長年築き上げたブランドを自ら壊した。危機を生き抜いた韓国のサムスン電子、LG電子などは巨額の広告費も投じて猛攻に転じ、日本勢のシェアを奪取した。

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Kポップと家電が同時に躍進、日本のサブカルは世界的人気

Kポップやドラマのコンテンツ系と家電、携帯電話などのモノの消費財系が同時に躍進を始め、アジアの小さな町に行っても韓国のブランド力が広がっていく勢いが感じ取れた。一方で日本のコンテンツ系は、アニメ、マンガ、コスプレなどのサブカル系はすでに世界的な人気をつかんでいた。音楽(Jポップ)もアジアで2000年前後は一定の人気があったが、それは音楽業界が市場を開拓した成果ではなく、現地のファンの「推し活」に支えられていた面が強かった。

ちゃんみなが所属する音楽事務所「レインボーエンタテインメント」の栗田秀一社長は、「1980~90年代は日本の音楽やドラマがアジアで支持された。しかし現地の市場規模は小さく、CDなどの海賊版も多くてビジネスとして成立しにくかった」と語る。何よりも「日本の音楽業界が長く海外へ進出しなかった最大の理由は日本市場が大きくて海外に挑戦しなくても収益を上げられたため」と指摘した。

「知っている日本人」調査でマンガキャラも上位に

欧米、中国、韓国、タイなどで新聞通信調査会が行っている「知っている日本人」調査で、各国の上位は天皇、首相、スポーツ選手、作家、漫画家、歴史上の人物、俳優などが並ぶ。ドラえもん、のび太、NARUTOやONE PIECE(ワンピース)などマンガのキャラクターも名を連ねている。

音楽アーティストは、タイではX JAPANが初回調査(2014年度)から第4回(18年度)まで連続で10位内になり、直近の5回目(24年度)はグループに代わりギターのhideが入った。ただ、その調査で藤井風が5位になるまで「知っている音楽系」はX JAPANだけだった。15年前、バンコクのKポップのダンス教室は子供から20代まで幅広い年齢層が通い、インストラクターの女性は「Jポップは音楽チャンネルでもほとんど流れず、触れること自体が難しい」と話した。

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