投資のリスク志向は「生まれ順」で決まる?次男次女ほどハイリスク投資を好む科学的根拠
投資のリスク志向は生まれ順で決まる?次男次女ほどハイリスク投資を好む科学的根拠

投資で積極的にリスクを取る人と、堅実な運用を好む人がいる。その違いは単に性格や知識だけでなく、「生まれ順」が影響している可能性があるという。実際、海外の研究では第二子以降の方がリスク資産への投資割合が高い傾向が確認されている。本記事では『最新科学が解き明かした お金と脳の残酷な真実』(菅原道仁/秀和システム新社)から、生まれ順と投資行動の意外な関係を紹介する。

「次男・次女」の方が、金融リスクを圧倒的に好む

生まれた順が「投資スタイル」を無意識に支配している。FXで高いレバレッジをかけたり、値動きの激しい暗号資産に全財産をつぎ込んだりする「リスクを恐れない人」がいる。彼らは単にギャンブル好きな性格だと思われがちだが、実は「生まれた順番」という自分ではどうすることもできない初期設定が大きく影響している可能性がある。

テキサス大学オースティン校のサンドラ・ブラックらが2017年にJournal of Finance誌に発表した研究では、スウェーデンの大規模な行政登録データを分析し、生まれ順と金融行動の関係を調べた。その結果、後に生まれた子ども(第二子以降)は、第一子に比べてリスク資産への投資割合が高い傾向があることが示された。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

なぜこのような違いが生まれるのか?

ブラックらの関連研究では、兄弟間で親の時間や金銭的資源の配分に差が生じることが、子どもの性格形成やリスクに対する態度に影響する可能性が示唆されている。また、心理学者フランク・サロウェイの仮説によれば、長子(第一子)は親の関心や資源を独占しやすい環境で育つため、保守的になりがちだ。一方、後に生まれた子どもは、親の関心を惹きつけて生き残るために、長子とは違うニッチ(隙間)を探し、あえて危険を冒して目立とうとする生存戦略(リスクテイキング)を本能的に身につける。

この現象は、幼少期に形成される「脳の報酬系」の物理的な配線の違いとしても説明できる。体が大きい兄や姉と同じ「普通のこと」をしていても、下の子どもは親からの強い関心(報酬)を得られない。そのため、あえて極端な行動や危なっかしい挑戦をすることで注目を集めようとする。この「ハイリスクな行動で周囲をハラハラさせた時だけ、強い快感(ドーパミン)が得られる」という神経回路の歪みが、大人になってからの無謀なトレードを引き起こすのだ。

あなたが無意識に「堅実な貯金よりも、一発逆転を狙える投資がしたい」と考えてしまうのは、幼少期に兄や姉に立ち向かうために脳にインストールされた「闘争のプログラム」が今も作動している証拠である。自分のハイリスク志向が、単なる「生まれ順のバグ」であることを自覚し、その暴走に意図的なブレーキをかける仕組みを作らない限り、いつか必ず致命的な損失を被ることになるかもしれない。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ

じゃあどうする?~生まれ順のバグを自覚し、暴走を止める~

  • リスク資産の割合を減らす:次男・次女であることを自覚してハイリスク投資を意図的に減らすことで、無意識の暴走を防ぎ資産を守れる。
  • インデックス投資を軸に:強制的に堅実なインデックスファンドを積立設定することで、ギャンブル的な投資を自動的に回避できる。

『最新科学が解き明かした お金と脳の残酷な真実』(菅原道仁/秀和システム新社)は、人気脳神経外科医である著者が、最新の脳科学の知見をもとに、私たちの脳がいかにお金の罠に陥るのかを解説する一冊だ。浪費、投資、節約、依存といった日常のリアルな場面において、脳内でどのようなエラーが起きているのかを紐解き、自動的にお金が貯まる実践的なアプローチを提示する。