多くの人が新規事業への挑戦をためらう理由の一つが「自信のなさ」だ。「自分にはまだスキルが足りない」「もっと勉強してからでないと」「周りの挑戦者と比べてしまう」といった完璧ではない現状に引っ張られてしまう。しかし、イントレプレナー(社内起業家)たちの歩みを振り返ると、「能力が十分に備わったから挑戦した」のではなく、「挑戦したから能力が身についてきた」ケースがほとんどである。
最初の一歩は誰にとっても不安
最初の一歩は、誰にとっても小さく、不安の伴うものだ。むしろ、「本当に自分にできるのだろうか」と感じている人ほど、慎重に学びながら進もうとするため、結果として着実に力をつけていくことが多い。大切なのは、「今の自分」を合否判定することではない。「まだできない自分」を否定するのではなく、「これからできるようになっていく自分」を信じること。その視点の転換こそが、成長のスタートラインになる。
実際のイントレプレナーの体験談
オーラルケア関連事業に取り組んだ30代の男性は、初めての新規事業で製品・サービスのアイデアを技術的に実現することばかり議論していたが、市場に出してみると顧客から致命的な指摘を受けた。今にして思えば当たり前のことだが、当時は気づけなかったという。その経験から、社内向けに新規事業のマネジメントガイドラインを作成し、運営に携わるようになった。さまざまな知見や事例から学びを蓄積することで、新規事業に関するスキルやマインドセットが身についたと実感している。
また、ベジミート事業に挑戦した食品(製菓)業界の20代男性は、営業部署から新規事業に挑戦した。最初は何から始めればよいかわからず、わからないことは社内に聞きまくり、社外のセミナーに積極的に参加しながら事業化のヒアリングを行った。社内には「行動」という文化もあり、学んだことはすぐに実践した。結果的に事業は無事に上市でき、挑戦前に比べてアウトプットのスピードが上がり、仮説を作ってから人に尋ねるといった成長を感じている。
走りながら身につける6つの能力
グロービス経営大学院特任副学長の田久保善彦教授は、イントレプレナーが走りながら身につけるべき6つの能力を挙げている。具体的な能力名は明記されていないが、記事の文脈からは、行動力、学ぶ力、コミュニケーション力、仮説思考、実行力、適応力などが示唆される。これらの能力は、挑戦を始めてから実践を通じて培われるものであり、事前に完璧を求める必要はないと強調している。
自信がない人ほど成長する可能性
田久保教授は、「自信のなさ」を感じる人ほど、慎重に学びながら進むため、結果的に着実に力をつける傾向があると指摘する。重要なのは「今の自分」を否定するのではなく、「これからできるようになる自分」を信じることだ。視点の転換が成長のスタートラインとなり、イントレプレナーとしてのキャリアを築く第一歩となる。



