車通りの多い行幸道路沿い。小田急相模原駅から徒歩10分少々の場所に、あるうどん店がある。店内に入ってすぐ、かつお節の削り機が目を引く。この店は、外食大手すかいらーくが2025年に買収した「資さんうどん」の一号店だ。
すかいらーく、資さんうどんでうどん市場に本格参入
すかいらーくは、これまで「ガスト」「バーミヤン」などファミリーレストランを主力としてきたが、2025年に北九州発祥の「資さんうどん」を買収。首都圏への出店を加速している。相模原店はその第一弾で、店内はカウンターから広々したボックス席まであり、「丸源ラーメン」よろしくファミリーも使い勝手のいい店づくりだ。
実際に「霧島黒豚の肉讃岐うどん」(1玉)と「ヒレカツ丼(小)」を注文した。うどんは、生地を異なる温度で二段階に分けて熟成し、製麺したら特注の圧力釜で茹でているという。それによって生まれるもっちり食感は、ほどよい噛み応えとやわらかさで老若男女から好まれそうだ。カツ丼も、恐らく注文後に揚げているカツに甘めのタレが染みており、サイドメニューというより主役級の完成度だ。
カツ丼を付けたかったのでうどんは1玉にしておいたが、これでちょうどよかった。仮に1玉のうどんだけだと物足りなさそうだと感じた。合計は1518円。商品は美味しかったが、後から考えるとちょっとコスパの悪い頼み方をしてしまった。例えば、売りの「霧島黒豚の肉讃岐うどん」は869円、「かけうどん」は649円。うどん単品を頼んで麺を2~3玉くらいにすれば1000円以下で値ごろ感がありながらお腹いっぱいになれるだろう。
FS.shakeが「うどん白糸」で中間価格帯を狙う
一方、FS.shakeという外食企業も注目だ。同社の主力業態は「とりいちず」で、レモンサワー99円(税込で109円)を打ち出す激安居酒屋。繁華街を中心に全国に100店舗超を展開している。それ以外にも「もんじゃ酒場だしや」「C.STAND」「博多酒場あいらしか」といった業態があり、2025年にはエー・ピーホールディングス傘下だった串揚げ店「串亭」(運営 リアルテイスト)を買収した。近年、精力的に展開している。
そんなFS.shakeが新たに打ち出したのが、うどん専門店「うどん白糸」だ。一杯約1000円の中間のマーケットを狙っているという。同社は、これまで激安価格帯で勝負してきたが、うどん白糸では少し上の価格帯をターゲットにする。うどんだけでなく、天ぷら食べ放題などのサイドメニューも充実させ、差別化を図る。
外食大手が続々うどん市場に、競争激化へ
すかいらーくやFS.shakeの参入により、うどん市場は「うどん戦争」の様相を呈している。既存の大手チェーンとしては、はなまるうどん(吉野家ホールディングス)や丸亀製麺(トリドールホールディングス)が全国展開しており、価格競争だけでなく、品質やサービスでの競争が予想される。
特に、すかいらーくはファミリーレストランのノウハウを生かし、家族連れを意識した店舗作りを進める。一方、FS.shakeは居酒屋で培ったコスト管理力を武器に、中間価格帯で勝負する。両社の戦略は異なるが、共通しているのは「うどん」という日本の国民食を軸に、新たな需要を開拓しようとしている点だ。
今後の展開として、天ぷら食べ放題やサイドメニューの充実など、各社が独自の強みを打ち出すことで、消費者の選択肢が広がることが期待される。一方で、競争激化による値下げ競争や、既存店の売上減少といったリスクも指摘されている。



