990円ロケ弁王者の秘密、冷めても旨い味へのこだわり
990円ロケ弁王者の秘密、冷めても旨い味

ロケや会議の現場で重宝される弁当には、誰もが一度は食べたことがあり、好き嫌いが少ない安心して選べるメニューが求められる。塚田農場おべんとラボは、定番メニューに絞ることで味を磨き続けている。

メニューを絞ることには、作る側にもメリットがある。商品数が増えれば仕入れや調理は複雑になり、品質管理も難しくなりコストも上がる。王道に集中することで、味を磨き続けることができる。さらに王道メニューは飽きられにくいという強みもある。

弁当業界では、のり弁やシュウマイ、焼肉など一品に特化した専門店も人気だが、ロケ弁や会議弁当は特定の企業や制作会社が繰り返し利用することが多い。そのたびに内容が変わらなければ飽きも出るが、同じブランドの中に複数の選択肢があれば話は別だ。チキン南蛮、鮭、ハンバーグと、ひとつの店で注文しながらその都度違う弁当を選べる。それが「また頼もう」につながる。

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目指したのは「冷めて完成する味」

塚田農場おべんとラボのおいしさを支えているのは、「冷めてもおいしい」という発想だ。店で食べた時は感動するほどおいしかった料理が、持ち帰って食べると意外と普通だった…そんな経験はないだろうか。揚げ物はしんなりし、ご飯は固くなる。できたてで食べることを前提に作られた料理ほど、時間が経つことで変化しやすい。弁当は、飲食店の料理をそのまま詰めればおいしくなるというものではない。

そもそも飲食店と弁当では、求められるおいしさが根本的に違う。飲食店はできたてを最高の状態で提供する商売だ。一方で弁当は、調理から食べるまでに時間がある。ロケ現場や会議室に届けられ、ふたを開ける頃には料理はすでに冷めている。そのため目指したのは、「冷めた状態でもおいしく食べられる弁当」だった。

「『お弁当だから仕方がない』では終わらせたくなかったんです。すべてのおかず、そしてご飯も妥協せず、研究に研究を重ねました」

象徴的なのが、看板商品のチキン南蛮だ。居酒屋「塚田農場」では揚げたての鶏肉に甘酢をからめ、そのまま提供する。しかし同じレシピを弁当に使えば、時間とともに衣はしんなりし、風味も落ちてしまう。同社は冷めてもおいしい独自のレシピを開発。玉子焼きも工場で手作りし、1日1万食を生産する体制ながら、手間を惜しまない姿勢が特徴だ。

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