サクサ、中期経営計画で「変革から成長へ」ニッチトップ企業目指す
サクサ、中期経営計画で「変革から成長へ」ニッチトップ企業目指す

サクサは2026年6月、中期経営計画で「変革から成長へ」というテーマを掲げ、新たなスタートを切った。代表取締役社長執行役員の齋藤政利氏は「非連続の成長を目指すため、ソリューションや脱ハードウェア的なビジネスに転換することはありません。われわれは、最後の最後までモノづくりにこだわり続けます」と宣言した。

前中期経営計画ではDXを主軸に非連続な成長を目指したが、2年経過しても成果が得られなかった。齋藤氏は「当社はモノづくりの企業。非連続な成功を目指すよりも、小さな成功を積み重ねて、一歩一歩上るのが性に合っていることに気づき、戦略転換を図ったのです」と説明する。

重点4事業への集約とグループシナジー

新たな中期経営計画では、経営資源を「プロダクト事業」「EMS事業」「デバイス事業」「システム事業」の重点4事業へ集約させる事業部制への移行が柱となる。グループ4社が持つニッチ領域での強みを武器に、各特定領域でNo.1を目指す体制だ。

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齋藤氏は「弱いところを改善して全体の底上げを図るのではなく、強いところをさらに強くするのが、この戦略のポイントです。個別分野の力を伸ばしていくと同時に、各事業部の連携を通じて、新たな価値を創り出すことも考えています」と述べた。

プロダクト事業とEMS事業の強み

プロダクト事業では、祖業のビジネスホンを通じて築いた全国約25万社の小規模・中小企業顧客基盤を活かし、UTM(複数のセキュリティ機能を統合したネットワーク保護装置)を約15年前から提供。今後はIT化による業務効率化支援を見据える。

EMS事業では、サクサテクノの製造機能とソアーの設計力が融合し、「一気通貫のEMS」を実現。サクサテクノの鈴木健登氏は「体制が始まってまだ1年弱ですが、すでに設計からの新規案件を複数件受注するなど、成果も出始めています」と語る。山形県米沢市では「米沢アドバンスドファクトリー構想」も進行中だ。

デバイス事業とシステム事業の展望

デバイス事業では、ソアーが有機ELの累計出荷台数2.2億台の実績を基に、透明OLEDや極薄ディスプレイなど高付加価値なカスタム領域で世界市場を開拓する。八巻雅敏氏は「ニッチな製品で他社との差別化を図りつつ、今後はサプライチェーンの強化と海外市場の開拓に力を入れていきたい」と述べた。

システム事業では、システム・ケイの映像プラットフォーム「SK VMS」とニューテックの高信頼ストレージを融合し、工場や発電所など「止まらない現場」向けに24時間365日記録する映像基盤を提供。ニューテックの早川広幸氏は「秘匿性の高い重要データをオンプレミス環境で管理したいというニーズも根強く存在します」と話す。

株主還元と今後の目標

中期経営計画では、2029年度の目標KPIとしてROE(自己資本利益率)8%以上を掲げる。株主還元については「DOE(株主資本配当率)4%」もしくは「総還元性向100%」のいずれか高いほうで還元する方針だ。

齋藤氏は「われわれは、最後の最後までモノづくりにこだわり続けます」と強調。重点4事業への資源集約とグループ各社の技術融合により、「モノづくり力」の強靭化を図る。

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