日産自動車のコンパクトSUV「キックス」がフルモデルチェンジし、第3世代へと進化した。日本市場において「日産コアモデル」と位置づけられる新型キックスは、デザイン、走行性能、燃費、室内空間のすべてにおいて高い水準を達成。モータージャーナリストの小川フミオ氏がテストドライブを実施し、その完成度を評価した。
全方位でバランスの取れた仕上がり
日産の商品企画担当者は「軽自動車を除いた登録車の中で最大のマーケットはSUV。中でもコンパクトSUVのセグメントが最も多くの割合を占める」と説明。新型キックスはこの激戦区で競争力を発揮するべく開発された。
ボディサイズは先代から拡大し、全長4365mm(+75mm)、全高1615mm(+10mm)、ホイールベース2655mm。日産は「余裕ある後席空間・荷室容量を確保」と謳い、実際に後席の居住性は向上している。
価格だけで選ぶべきではない実力
ベースモデルの価格は299万円台に設定され、トヨタ「ヤリス クロス」やホンダ「ヴェゼル」などの競合に対抗。しかし小川氏は「価格だけで選ぶべきクルマではない」と指摘。走り、燃費、デザインのどれもが高得点で、何かを犠牲にすることなく全方位で優れているという。
特に評価されたのは、自然で好印象なワンペダルドライブ。また、新世代の運転支援システム「プロパイロット」を先行搭載。全輪駆動モデルには「e-4ORCE」を新たに採用し、走行安定性を高めている。
デザインはイタリアのスポーツカーから着想
両端が盛り上がるボンネットは、イタリアのスポーツカーからインスパイアされたデザイン。コンパクトながら力強いスタイリングが特徴だ。
新型キックスは、コンパクトSUV市場で52万台とされる国内市場において、日産の屋台骨を支えるモデルとして期待される。競争は熾烈だが、その完成度は十分に戦えるレベルにある。



