床を見たのは4、5年ぶり ワンルームに積もったゴミの山
関西地方で一人暮らしをする20代の女性。彼女の部屋は、玄関から窓際までゴミの下に完全に沈んでいた。「床を見たのは4、5年ぶりでした」と、片付けを終えた後に彼女は漏らした。食品の包装容器、発泡スチロール、紙クズが膝から腰の高さまで積み上がり、廊下は人一人がようやく通れる隙間しか残っていなかった。異様なにおいを放つ衣類や食べかけの生ゴミも散乱していたという。
コロナ禍が招いた孤独 「友達に会えなくなった」だけではない
彼女は「友達と会えなくなったから部屋が荒れた」と説明したが、イーブイ片付けチャンネルを運営するゴミ屋敷清掃・不用品回収専門業者「イーブイ」(大阪府)の代表・二見文直氏は、その言葉の裏に「本当の孤独」があると指摘する。彼女は遠方から引っ越してきたため、地元の友達と疎遠になり、新しい人間関係を築けずにいた。コロナ禍で外出が制限されたことも重なり、部屋の散らかりが加速したという。
「大切なモノから捨てる」という失敗
二見氏は、ゴミ屋敷化した部屋の片付けでよく見られる失敗として「大切なモノから捨てようとすること」を挙げる。多くの人は、思い出の品や使っていない高価な物を優先して処分しようとするが、それらに強い愛着があるため決断できず、結局ゴミだけが残る。イーブイでは、まず明らかなゴミから片付け、徐々に「大切なモノ」の取捨選択に移る手法を推奨している。
頼れる大人がいないから業者に頼る
今回の女性も、家族や友人に相談できず、自力で片付けられないまま数年が経過した。二見氏は「ゴミ屋敷の住人には、頼れる大人や相談相手がいないケースが多い」と説明する。そのため、専門業者に依頼することで初めて片付けが進む。イーブイのスタッフは、女性のペースに合わせながら、一緒にゴミを分別し、不要品を運び出した。
片付けとは「大切なモノ」を選ぶこと
片付けを終えた部屋には、女性が本当に大切にしたい物だけが残された。二見氏は「片付けとは、モノを捨てることではなく、自分の人生にとって大切なモノを選ぶこと」と語る。女性は片付け後、「部屋が明るくなって気持ちも軽くなった」と笑顔を見せたという。イーブイのYouTubeチャンネルでは、この事例を含む多くのゴミ屋敷清掃のビフォーアフター動画が公開されている。



