ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)が、開業以来初となるパーク敷地の大幅な拡張に踏み切る。大阪市と日本製鉄が所有する、北側に隣接する工場跡地(約6万平方メートル)を活用する方向で、協議を始めた。USJは来園者が増えて敷地が手狭となっており、拡張が課題となっていた。
世界3位の規模、頭打ちの来園者数
USJの開業は2001年。当初は年間来園者800万人を目標に掲げていたが、いまや約1600万人を誇る。米テーマエンターテインメント協会によると、アジアのテーマパークでは首位で、世界でも米フロリダ州のマジックキングダムなどに次いで3位の規模だ。
「ハリー・ポッター」のエリアは、阪神甲子園球場14個分にあたる約54万平方メートルの敷地に、人気映画やゲームをテーマにした10エリアがある。今の地位へと押し上げたのが、14年に完成した「ハリー・ポッター」のエリア。ハリー・ポッターの小説や映画の世界を再現したアトラクションなどに約450億円を投資し、訪日客を呼び寄せるきっかけにもなった。
経営刷新から拡張への道筋
それまでは多難だった。開業した01年度は1102万人が訪れたが、02年には、アトラクションで使う火薬が許可量より多かったり、賞味期限が切れた食材を使ったりするなど不祥事が相次ぎ、人出が落ち込んだ。毎年のように新しいアトラクションを投入したが、来園者は増えず、赤字が続いた。
開業時の運営会社は大阪市と民間企業が組んだ第三セクターで、責任の所在や意思決定にも問題があった。株式を上場していたが、09年に米投資銀行のゴールドマン・サックスグループがほぼ全株を買い取って、経営を刷新。その変化が「ハリー・ポッター」エリア導入などの施策につながった。15年には米メディア大手コムキャスト傘下のNBCユニバーサルグループに入った。
混雑緩和と新アトラクションへの活用へ
一方で、10年ほど前からは敷地の制約が課題になっていた。新しいアトラクションの導入のために旧施設を撤去するなどしており、「ハリー・ポッター」エリアも駐車場を転用した。パーク内の混雑も一因となり、来園者数は23、24年とも約1600万人と横ばいで、頭打ちの状態だった。
USJでは、今回の拡張でパーク内の混雑を緩和するとともに、アトラクションの移転や新設などに活用していくものとみられる。さらなる来場者数の獲得を目指していく。



