復権期す東芝、元日立社長の小島氏が取締役に就任 再上場へ視界良好
復権期す東芝、元日立社長が取締役に 再上場へ視界良好

東芝が6月30日に発表した役員人事が業界内外で注目を集めている。2025年3月末まで日立製作所で社長兼CEOを務めた小島啓二氏が、東芝の新たな取締役に就任したからだ。かつてライバル関係にあった両社のトップ経験者が東芝の経営陣に加わる異例の人事は、再上場を目指す東芝の復権戦略の一環とみられる。

経営混乱から非上場化、追い風受けて業績は改善

東芝は経営混乱を経て非上場化したが、その後業績は改善傾向にある。特に、半導体子会社キオクシアの株価が急騰していることが追い風となっている。キオクシアは2025年以降、半導体市場の回復に伴い業績が急拡大。東芝が保有するキオクシア株の価値が大幅に上昇し、東芝の財務基盤強化に大きく寄与している。

小島氏は1982年に日立製作所に入社後、中央研究所長や日立研究所長を歴任。近年の日立の成長を牽引したDX(デジタルトランスフォーメーション)支援プラットフォーム「ルマーダ」の生みの親として知られる。2021年に日立の社長兼COOに就任し、翌年にはCEOに昇格。2025年4月に代表権を持たない副会長に退いた後、今年3月に日立を退社していた。

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「機関設計」を変更し、上場へ整備着々

東芝は再上場に向けて「機関設計」の見直しを進めてきた。今回の小島氏の取締役就任は、その一環と位置づけられる。東芝によれば、小島氏は4月に東芝の100%親会社である日本産業パートナーズ(JIP)の取締役に就任しており、「JIPから送られた形」だという。

小島氏は東芝の取締役に加え、昨年6月に丸紅、今年6月にみずほフィナンシャルグループの社外取締役にも就任している。複数の企業で豊富な経営経験を持つ小島氏の知見が、東芝のガバナンス強化と再上場準備に生かされると期待されている。

東芝は2023年に非上場化して以来、経営再建に取り組んできた。業績改善に加え、キオクシアの株価上昇による含み益の拡大が再上場への視界を良好にしている。市場関係者の間では、東芝の再上場時期が近づいているとの見方が広がっている。

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