東京電力株急落、原発事故賠償増額懸念で市場混乱
東電株急落、賠償増額懸念で市場混乱

東京電力株が急落、賠償増額懸念で売り浴びせる

東京電力ホールディングスの株価が急落している。政府が東京電力福島第一原発事故の賠償額を増額する方針を示したことで、市場に懸念が広がった。11日の取引で、東電株は一時前日比9%安となる329.6円まで下落。終値は8.8%安の331.1円だった。時価総額は約5300億円に減少し、約500億円が吹き飛んだ計算だ。

政府は、東京電力の賠償負担を軽減するために設立した「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」の枠組みを見直し、賠償額の上限を引き上げる方向で調整している。これにより、東京電力の負担が増える可能性が指摘されている。市場では「賠償額が増えれば、東電の財務基盤がさらに悪化する」との見方が広がっている。

福島第一原発の廃炉費用も膨らむ

福島第一原発の廃炉費用も増加傾向にある。経済産業省の試算では、廃炉費用は総額約8兆円に上る見通し。これに加え、賠償額の増額が重なれば、東京電力の経営を圧迫するのは必至だ。東京電力は2023年度の連結決算で最終利益を計上したが、依然として厳しい経営環境が続いている。

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アナリストの一人は「東京電力の経営は、政府の支援に依存している部分が大きい。賠償増額で政府の支援が縮小されれば、自力での資金調達が難しくなる」と指摘する。実際、東京電力の格付けは投資適格級の最下位に位置しており、さらなる格下げも懸念されている。

市場関係者の見方

市場関係者の間では、今回の株価急落は「行き過ぎ」との声もある。しかし、原子力規制委員会が東京電力の柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な姿勢を示していることも、投資家の不安を強めている。柏崎刈羽原発は、東京電力の収益回復の鍵を握るとされていたが、再稼働のメドが立っていない。

「東京電力の株価は、原発再稼働の進展次第で大きく変動する。現時点では不透明要素が多く、投資家はリスク回避の動きを強めている」と、別のアナリストは語る。今後、政府の賠償増額の具体的な規模や、柏崎刈羽原発の再稼働スケジュールが明らかになるまで、東電株の乱高下が続く可能性がある。

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