りそなHD、デジタル基盤の「オープン化」で他行や異業種との連携拡大
りそなHD、デジタル基盤の「オープン化」で連携拡大

りそなホールディングス(HD)は、デジタルバンキング基盤を社外にも提供する「オープン化」を通じて、グループや業種の垣根を越えた連携拡大を図っています。2021年7月に「金融デジタルプラットフォーム」構想を打ち出し、日本IBMやNTTデータグループと覚書を締結。22年4月には、3社でプラットフォーム運用の実務を担う合弁会社「FinBASE」を設立しました。

地方銀行への提供拡大

現在の機能・サービスの中心は、りそなのスマートフォン用アプリ「りそなグループアプリ」です。振り込みや税公金支払い、投資信託など190もの取引がアプリ上で完結し、フルバンキングに近い機能を備えます。アプリの提供は2018年2月に開始。当初は傘下銀行の個人顧客向けでしたが、21年3月に常陽銀行と足利銀行へ提供を始め、その後、百十四銀行、十六銀行、京葉銀行が加わりました。

アプリの総ダウンロード数は計1300万件を超え、うちグループ外の5行で約300万件を占めます。導入した銀行は、りそなのアプリ基盤を活用しながらも、自行の名前を冠して展開できます。十六銀行の場合、アプリ画面のデザインやサービス内容はりそなグループとほぼ同じですが、サービス名は「じゅうろくアプリ」です。

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異業種との協業も加速

りそなは今年5月、第一ライフグループやジェーシービー(JCB)との協業を開始しました。個人向けサービス「りそなプラス」では、りそなグループの口座保有者がアプリを通じて、飲食店やレジャー施設などの優待コンテンツ140万件以上も利用できるようになる予定です。いずれも第一ライフ子会社で福利厚生代行を手がけるベネフィット・ワンのサービスです。JCBとの提携に伴い、銀行取引に応じて同社ポイント「J-POINT」がたまる仕組みも27年度中に始めます。

同じく5月に結んだJR西日本との資本業務提携では、JR西日本がりそな傘下の関西みらい銀行に20%出資し、共同で新銀行サービス「WESTERミライバンク(仮称)」を始めます。りそなグループアプリによる預金、送金などの銀行サービスをJR西日本のアプリを通じて行えるようになり、約1200万人の顧客基盤に新たな銀行サービスを提供します。

「使うことの楽しみ」と「使いやすさ」

りそなHDでアプリ開発を担うアジャイル推進室長を務め、FinBASEの代表取締役を兼務する新槇祐輔氏は、アプリ戦略について「りそなグループアプリのダウンロード数は1000万を超えた。月に1回以上アプリを開くお客様の割合が80%を超えている」と説明します。

取引量については「トランザクション(取引)の量も大きく伸びている。必要な時にこまめに振り込みをするようになるため、回数ベースでトランザクションが増加し、結果として銀行側の収益機会も高まった」と述べました。アプリ上の積立定期「目標積立」では、カード上に「学費」「家族旅行」など自由に目的を書き込め、目標額を設定すると現在の進捗を示すバーが表示されます。「『使うことの楽しみ』と『使いやすさ』を提供しただけで、お客様が自発的に目標を設定し、トランザクションを伸ばす効果を生み出した」と語ります。

FinBASEの役割については「金融デジタルプラットフォームを展開していくにあたり、外部の金融機関としっかりコミュニケーションを取り、りそなと『共に創る(共創)』ことのメリットを伝えていく専門の営業部隊が必要だった」と説明。「ゼロから優れたアプリを自前で開発し、アップデートし続けるのは膨大なコストとノウハウが必要となる。我々が培ってきた『お客様に使い倒していただける便利なUI/UX』を提供することで、各金融機関は自社のお客様へのサービス向上に集中できる」と述べました。

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