コロナ禍のペット需要で急成長した市場に異変が生じている。物価高で厳しい局面を迎えているようだ。帝国データバンクが2025年度の「ペット・ペット用品小売業」の業況動向を調査した結果、全国の主要なペット用品販売業98社における2025年度の売上高は合計2417億円(前年比0.5%増)だったことが分かった。2020年度から6期連続の増収となったものの、伸び率は鈍化した。
売上高の伸びは鈍化、利益は2期連続の大幅減益
コロナ禍の2020年度は、ペット需要を背景に売上高が前年比13.6%増と大きく伸びた。しかし、2023年度は同2.6%増、2024年度は同1.2%増、2025年度は同0.5%増にとどまった。帝国データバンクによると、売上高は物価高に伴う商品の値上げによって下支えられた面もあるという。
2025年度の利益は19億円で、前年度の41億円から53.5%減少した。売上高の伸びがコスト増に追い付かず、2期連続の大幅減益となった。
利益はピークから約7割減、休廃業・解散は過去最多
利益はコロナ前の2019年度には32億円だったが、ペット需要が追い風となった2021年度には66億円まで増加した。その後は減少傾向が続き、2025年度には19億円と、ピークだった2021年度から約7割減少。コロナ前の2019年度も下回った。
2025年にペット・ペット用品小売業で発生した休廃業・解散と倒産(負債1000万円以上)は計64件だった。前年比45.4%増で、休廃業・解散の集計を始めた2013年以降で最多となった。
2026年1〜7月の倒産は10件で、前年同期と同じだった。倒産原因はすべて「販売不振」で、従業員5人未満の企業が9割を占めた。
帝国データバンク「今後も休廃業・解散や倒産の増加が懸念」
帝国データバンクは「今後も休廃業・解散や倒産の増加が懸念される。コロナ禍のペット需要で広がった市場も、出店回帰や原材料高、円安などの影響で厳しい経営環境にさらされている」と指摘した。
本調査は帝国データバンクの企業データベース(約440万社)から、7期連続で業況を確認できた98社を抽出して実施した。



