すかいらーくが「資さんうどん」を買収し、物語コーポレーションやオリジン東秀もうどん新業態を続々オープンしている。今、大手外食企業がこぞってうどんに参入している。なぜうどんなのか。実際に店を回ると、「うどん戦争」開戦前夜ともいえる外食企業の切実な事情が見えてきた。
「焼肉きんぐ」「丸源ラーメン」の系列うどん店
今年5月、神奈川県座間市のロードサイドに「肉讃岐 もっちりうどん源次郎」がオープンした。ここは「焼肉きんぐ」や「丸源ラーメン」でおなじみの物語コーポレーションの新業態1号店だ。車通りの多い行幸道路沿いに位置し、小田急相模原駅から徒歩10分少々でたどり着く。
同店では、店名にも冠した「もっちり」食感の麺に肉がのった「肉讃岐」という新ジャンルを提案している。看板商品は「霧島黒豚の肉讃岐うどん」(869円)や「国産牛煮込みの肉讃岐うどん」。オーソドックスな「かけうどん」や「せいろうどん」もある。
特徴は、麺の量が1玉から4玉までどれを選んでも同一料金であること。さらに、削りたて極薄かつお節もかけ放題だ。1玉は150グラムに対し、4玉は驚異の600グラム。これらがすべて同一料金で提供される。
レモンサワー109円の「とりいちず」が狙う中間価格帯
物語コーポレーションは「焼肉きんぐ」の好調を背景に、新たな成長軸としてうどん業態を選んだ。同社は「とりいちず」など低価格業態も持つが、うどんは中間価格帯としてファミリー層にも使い勝手の良い店づくりを目指す。例えば、生卵は無料で何個でもトッピングでき、自分好みにカスタマイズできる点が魅力だ。
オリジン弁当は麺1キロ、天ぷら、ごはんが食べ放題
一方、オリジン東秀は「オリジン弁当」のノウハウを活かし、うどん食べ放題業態を展開。麺1キロ、天ぷら、ごはんが食べ放題で、1000円台から楽しめる。同社は「体験価値」を重視し、ゆっくり食べられる環境を提供することで、競合との差別化を図る。
「ガストの後継」に資さんうどん
すかいらーくは「資さんうどん」を買収し、ファミリーレストラン「ガスト」の後継として位置づける。ガストの低価格路線が競争激化で苦戦する中、うどん業態は安定した需要と高い回転率が期待できる。資さんうどんは北九州発祥で、関東でも認知度が高く、すかいらーくの店舗網を活用して全国展開を狙う。
なぜ今うどんなのか
外食大手がうどんに参入する背景には、ラーメン市場の飽和や、うどんの「ヘルシー」「低価格」「カスタマイズ性」という特性がある。また、うどんは客単価が1000円前後と中間価格帯に位置し、夕食需要を取り込みやすい。さらに、天ぷらやおにぎりなどサイドメニューで客単価を上げる余地も大きい。
「うどん戦争」は始まったばかり。すかいらーく、物語コーポレーション、オリジン東秀に加え、他の大手も追随する可能性がある。消費者の選択肢が広がる一方で、競争激化による淘汰も予想される。



