大阪府河内長野市は、観光振興や市のPRなど様々なテーマで民間企業の知恵や経験を生かす新たな取り組みを開始した。2026年5月下旬、JR大阪駅北側の複合施設「グラングリーン大阪」で、市が抱える課題や取り組み状況を企業に説明し、解決に向けたアイデアを募るイベント「リバースピッチ」を初開催。建設業やプログラミングなど府内外の約70社が集まった。
「モックル」を地域活性化の起爆剤に
イベントでは、市のシティプロモーション課の中野愛子さん(32)が約100人を前に、市のシンボルキャラクター「モックル」を使ったPR戦略について発表。「モックルをきっかけに地域への愛着を広げるプロジェクトを作りませんか」と呼びかけた。同課はこれまで、モックルが登場するSNSやハンカチ、エコバッグなどのグッズを制作し市の魅力を発信。市の認知度向上に手応えを感じつつも、市単独の取り組みには限界があると率直に認め、「市民や事業者が参加したくなる仕組みづくりのため、力をお借りしたい」と訴えた。企業側からは早速「市役所発行の冊子にモックルを載せる方法」「AIを使ってPRできる」などの提案が寄せられた。
リバースピッチの仕組みと11の課題
「リバースピッチ」は、通常企業が行う「売り込み(ピッチ)」を自治体が「逆向き(リバース)」に行うもの。従来の公民連携課による協力要請とは異なり、各担当者が直面する悩みや方向性を具体的に伝えられるのが特徴だ。市はこのほか、地域資源の活用や観光振興などで11テーマを提示。地元産木材「おおさか河内材」を使った商品開発や、市内に長時間滞在できる観光資源の創出などを例示した。公民連携課の黒木雅代課長は「難しい課題には民間の力が必要。すぐには結果が出ないかもしれないが、一つでも多く解決につなげたい」と期待を込めた。
企業の反応と今後の連携
交流会では、市に自社の強みをアピールする参加者も見られた。市は今後、面談を経て協力企業を決定する。大阪市のICT企業の営業担当者は「課題を解決したいという河内長野市の熱意を感じた。それぞれの課題は密接に関連している。一緒に取り組めそうな分野で連携したい」と意欲を示した。市の取り組みは、官民連携の新たなモデルとして注目されそうだ。



