IT業界の上場企業における平均年収を業種別に分析した2026年版のデータが公開された。ネットベンチャー、ゲーム、メディア系企業を中心に、平均年収が高い順にランキング形式で紹介する。この調査は、有価証券報告書に記載された従業員数や平均年齢、平均勤続年数、平均年収などの公開情報を基に、Publickeyが独自の判断で主要企業をピックアップし、業種分類したものだ。
ネットベンチャー系企業:クックパッドが1007万円でトップ
インターネットを中心にビジネスを展開する新興企業を「ネットベンチャー系企業」として分類。ソーシャルメディアやEC、ポータルなど多様な業種が含まれる。この分野では、2025年までメルカリが唯一平均年収1000万円を超えていたが、2026年はクックパッドが従業員数を前年より減らしながらも平均年収1007万円で1000万円超えを達成した。
一方、メルカリは1543人の従業員を抱え、平均年収1176万円と依然として高いが、クックパッドの台頭が目立つ。前年までリストに入っていたマクロミルは、外資系投資ファンドCVCキャピタル・パートナーズの株式公開買い付けにより上場廃止。EストアーはBASEと投資ファンドによる買収で上場廃止となった。
新たに、ビジョナル(HRテックのビジネスリーチなどを展開)がリストに追加された。また、Delyはクラシルに社名変更、プライム・ストラテジーはGMOプライム・ストラテジーに、オウケイウェイヴはオーケーウェブにそれぞれ社名変更している。
ネットベンチャー系企業の平均年収ランキング(上位抜粋)
以下は、ネットベンチャー系企業の平均年収ランキングの一部である。カッコ内は従業員数、平均年齢、平均勤続年数、平均年収(万円)。
- メルカリ:1543人、36.3歳、3.8年、1176万円
- クックパッド:87人、37.5歳、5.6年、1007万円
- LINEヤフー:10577人、39歳、9.6年、902万円
- オークネット:470人、41.6歳、9.6年、874万円
- ビジョナル:116人、38.6歳、5.2年、861万円
- 楽天グループ:9989人、36歳、6.3年、851万円
- デジタルガレージ:557人、39.7歳、5.9年、850万円
- モイ:39人、35.4歳、7.4年、819万円
- フィックスターズ:279人、36.1歳、6年、791万円
- GMOプライム・ストラテジー:27人、47.4歳、5.2年、765万円
ゲーム・エンタテインメント系企業:ディー・エヌ・エーが1118万円で首位
ゲーム・エンタテインメント系企業では、ディー・エヌ・エー(DeNA)が前年の平均年収883万円から200万円以上アップの1118万円となり、1位に躍り出た。2位のカプコンは、2022年度に正社員の平均年収を増額することを発表し、当時日本経済新聞に「カプコン、平均年収3割増額 初任給は任天堂並みに」と報じられた施策が数年を経て実現。任天堂と並ぶ平均年収となった。
前年までリストにあったUUUMは上場廃止。ザッパラスも完全子会社化により上場廃止となったためリストから除外。AppBankは前年の従業員数16人からさらに半減し8人となっている。
ゲーム・エンタテインメント系企業の平均年収ランキング(上位抜粋)
以下は、ゲーム・エンタテインメント系企業の平均年収ランキングの一部である。
- ディー・エヌ・エー:1400人、38.6歳、7.1年、1118万円
- カプコン:3593人、38.1歳、11.2年、985万円
- 任天堂:3084人、40.5歳、14.6年、983万円
- ネクソン:233人、40.1歳、8.1年、910万円
- MIXI:1316人、38.1歳、6.2年、847万円
- ドリコム:271人、39.1歳、6.8年、762万円
- コロプラ:676人、36.6歳、6.5年、682万円
- KLab:294人、39歳、9年、681万円
- カバー:735人、34.8歳、2.8年、670万円
- カヤック:222人、37歳、7.5年、665万円
オンラインメディア・アフィリエイト・SEO系企業の動向
本記事ではネットベンチャー、ゲーム、メディア系企業を中心に紹介したが、後編ではソフトウェア・サービス、SI・システム開発、ISP・ホスティングなどに分類した企業を紹介する予定だ。
なお、持株会社など現場の社員の給与を反映していないと思われる企業は基本的にこの調査から除外している(例:コナミホールディングスなど)。また、日本に上場していない企業(例:日本マイクロソフトやGoogle日本法人など)も当然含まれていない。



