GPIF、2025年度の運用益41兆3995億円で歴代2位 4資産均等ポートフォリオが奏功
GPIF、2025年度運用益41兆3995億円 歴代2位

年金積立金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は2025年度(2025年4月~2026年3月)に41兆3995億円の運用益を計上し、収益率は16.47%に達した。運用資産額は2026年3月末時点で293兆6437億円となり、発足以来の累積収益額は196兆9306億円、年率換算収益率は4.67%となった。この好成績は歴代2位に相当する。

国内外の株式市場が運用益を牽引

GPIFが公表した2025年度業務概況書によると、各資産のベンチマーク収益率は国内株式が34.65%、外国株式が27.76%、外国債券が12.16%、国内債券が▲5.37%だった。国内株式と外国株式が大幅に上昇し、外国債券もプラスを維持。一方、国内債券は金利上昇の影響でマイナスとなったが、株式の好調が全体を押し上げた。複合ベンチマーク収益率は16.64%となっている。

4資産均等ポートフォリオとリバランスの実態

GPIFは長期・分散投資を基本方針とし、現在の基本ポートフォリオは国内債券、国内株式、外国債券、外国株式をそれぞれ25%ずつ保有する「4資産均等」である。2026年3月末時点の実際の資産構成は、国内債券26.91%(80兆6791億円)、外国株式24.80%(74兆3569億円)、外国債券24.48%(73兆3990億円)、国内株式23.81%(71兆3905億円)となっている。株式市場上昇時にも基本ポートフォリオから大きく外れないよう、GPIFは2025年度に国内株式・外国株式を売却し、その資金を主に国内債券へ振り向けるリバランスを実施。年間では国内債券に約14.8兆円、外国債券に約2.7兆円を配分する一方、国内株式を約4.2兆円、外国株式を約10.7兆円売却した。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

運用益は年金額に直接反映されず、将来の制度を支える

ファイナンシャル・プランナー(AFP)の武藤貴子氏は、「GPIFの運用益が歴代2位と聞くと『年金額が増えるのでは』と期待する方も多いが、この運用成績が現在の年金受給者や現役世代の年金額にそのまま反映される仕組みではない」と指摘する。日本の公的年金制度は現役世代の保険料で高齢者を支える世代間扶養が基本で、年金額の改定は物価や賃金の動向に応じて決まり、運用実績とは連動しない。積立金は少子高齢化で保険料収入が減少する将来に備えた補完財源であり、GPIFはおおむね100年先を見据えて運用している。つまり運用益は目先の増額ではなく、将来世代の給付を下支えし制度の持続性を高める意味を持つ。

武藤氏は、GPIFの運用方針はNISAなどで資産形成を行う個人投資家にとっても参考になると述べる。「GPIFのポートフォリオは国内外の債券・株式を25%ずつ、株式と債券を半々に持つ分散設計で、比率が崩れればリバランスで戻す。これにより偏りを防ぎ、長期的に安定した収益を目指せる。NISAで資産形成する個人も、4資産均等型のバランスファンドを1本持つか、各資産のインデックスファンドを組み合わせることで同様のポートフォリオを再現できる。ただしGPIFの配分は公的年金の性格に合わせたものであり、自身の年齢やリスク許容度に応じて調整する視点が重要だ」と語る。

GPIFの2025年度の運用益は、年金額を直接増やすものではないが、将来の年金制度を支える重要な役割を担っている。今回の実績は、目先の利益を追うのではなく、長期的な視点で資産を守り育てることの重要性を示している。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ