FDA、7期ぶり黒字 円安・燃油高騰で苦境も需要適合で改革 本田社長に聞く
FDA、7期ぶり黒字 円安・燃油高騰で苦境も需要適合で改革

円安や燃料高騰が航空各社の経営を圧迫する中、フジドリームエアラインズ(FDA、静岡市清水区)は2025年度決算で売上高を伸ばしながら7期ぶりに黒字を確保した。大胆な改革を実行した本田俊介社長(60)に現在地と展望を聞いた。

国内線が構造不況に

静岡空港では全日本空輸(ANA)が10月に事実上撤退する。なぜ今、国内線は苦しいのか。本田社長は「常に安定して利益を出すはずの国内線が構造不況になった。燃油が高止まりしていたことが一つあるが、最大の要因は円安。当社では費用の総額がコロナ禍前の18年度と比べて4割も増えた」と語る。

地方空港に路線を張り巡らせるFDAは、国内線だけで独自のビジネスモデルを築いてきた。対策として「一つは路線の見直しだ。採算が取れない路線を期間限定に変えたり、それで使えるようになった機材で日本航空(JAL)がやめた路線を引き継いだりした。ほかにも旅行者が少なくなる冬は減便し、代わりにチャーター便を飛ばした」と説明する。

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共同運航の新手法「フリーフロー」

「『少ない』と言っても、例えば、農閑期を迎える北海道や東北の農家の方々が南に行く需要がある。そうした動向に運航を合わせていく『需要適合』を意識した」と述べた。

共同運航便で連携するJALとの取り組みについては「共同運航は今まで約80席あるうちの約20席はJALに販売してもらい、残りをFDAで売る仕組みだった。これを昨年度の途中から『フリーフロー』と呼ばれる手法に変更し、座席数を制限せずにお互い売れるだけ売るようにした。どちらかが強い路線で収入を一気に伸ばしやすい利点がある」と語る。さらに「需要と座席の供給状況に応じて価格を変動させる『レベニューマネジメント』も強化した」という。

苦渋の選択と今後の展望

思い切った施策を実行できた背景について「コロナ禍で窮地に陥ったために、路線の見直しとフリーフローはここまでせざるを得なかった。地域に寄り添ったネットワークを広げていくという思いでできた会社なので、路線縮小にはものすごく抵抗感があり、これまで何とか維持してきた。でも、追い込まれた。生き延びるための苦渋の選択だった」と振り返る。今年度も「かなり厳しい見通しなので、この機会に体力を付けて筋肉質になる道を選んだ」と話す。

今後の注力点として「『富士山遊覧』を広めていきたい。窓から約1000メートル先の富士山を見下ろすことができる。感動すると思う。訪日外国人客の方々にも使ってほしい。駿河湾や日本平からもいいが、飛行機から見る富士山は売りになるはずだ」と語る。また「新千歳、仙台、中部国際、名古屋(小牧)、福岡の各空港を訪日外国人を呼び込む『玄関口』に位置づけ、各地に向かう人を増やしていきたい」と述べた。

【プロフィル】熊本県出身。1988年青学大経済卒、旧日本エアシステム(現日本航空〈JAL〉)入社。2017年日本航空執行役員路線統括本部国内路線事業本部長。25年物流大手「鈴与」(静岡市清水区)子会社フジドリームエアラインズ(同、FDA)社長。国内線の就航や利活用促進などの経験が豊富で、特にレベニューマネジメントを得意とする。

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