ディズニーの新CEOは、ゴミ箱の位置にまでこだわる徹底したファン起点経営を展開している。映画、パーク、クルーズなどあらゆる接点でファンを増やし、ビジネスの定着を目指す姿勢が浮き彫りになった。
ゲームとクルーズが新たな入り口に
ディズニーのIPを活かしたゲームのヒットと、それに続くアニメや舞台作品などへの広がりも大きい。日本では、25周年を迎えるスクウェア・エニックスとのコラボレーションである『キングダム ハーツ』シリーズや、スマートフォンからの独自展開である『ディズニー ツイステッドワンダーランド』などの成功例も多い。
そして、意外なことにもう1つの大きな切り口が「クルーズ」だ。ディズニーは「ディズニー・クルーズ・ライン」を展開している。現在8隻を運航しているが、2031年度までに13隻体制に拡大する。
クルーズがファンになる入り口に
今年、シンガポールを拠点とする「ディズニー・アドベンチャー」が就航したが、そこからは興味深いデータが得られているという。まず、乗客のうち9割が初めてクルーズ船の旅に参加する人々だった。また、半数は「一度もディズニーのテーマパークを訪れたことがない顧客」だったという。
ディズニーのクルーズというと、熱心なディズニーファンが楽しむものというイメージを持つが、実際にはディズニーのファンになるための入り口の役割を果たす存在にもなっているのだ。
ダマーロCEOは「クルーズは、いわば私たちのブランドにおける最高のアンバサダーであり、新しい市場に向けて航海し、人々をディズニー・ファミリーへと招き入れる存在だ」と話す。
課題は若年層への訴求
入り口とは映像配信のような手軽なものだけでなく、リアルで没入感の高い体験にも存在する。これは、ディズニーランドがディズニーの世界への入り口の役割も兼ねていることに近い。
全体的に高齢・高付加価値層への訴求が多く、「どうやって若い層を引き込むのか」という課題は依然として残っている。とはいえ、ディズニーという企業が「徹底してこだわった接点」をあらゆる場所に持っており、そこからビジネスの定着を目指していることは間違いなく、そのことを他の企業が「まねできていない」ことも、また事実と言えそうだ。



