米国イリノイ州デカルブ市で3代にわたり農業を営むジェイミー・ウォルターさんは、自身のトウモロコシ畑に太陽光パネルを設置する計画を明らかにした。データセンター(DC)向けに電力を供給するためで、農地の一部を発電業者に貸し出す形となる。
農地を活用した売電事業
ウォルターさんは1700エーカー(約690ヘクタール)の農地でトウモロコシ、大豆、小麦、ライ麦などを栽培している。このうち約500エーカーを発電業者に貸し出し、太陽光パネルを敷き詰める計画だ。通りを挟んで800メートル先には高圧送電線が通っており、発電した電力は系統電力を通じてデータセンターに供給される。
「秋の収穫が終わったら、ここに太陽光パネルが設置される予定です」とウォルターさんは語る。農業収入に加えて売電収入を得ることで、経営の安定化を図る狙いがある。
データセンター急増がもたらす変化
AI(人工知能)需要の高まりにより、米国ではデータセンターの建設ラッシュが続いている。バージニア州などでは巨大データセンターの建設が相次ぎ、電力消費量が急増。これに伴い、再生可能エネルギーによる電力供給の需要も高まっている。
イリノイ州もデータセンター建設のホットスポットの一つで、シカゴ近郊を中心に多くの計画が進行中だ。ウォルターさんの農地は、シカゴから西に約100キロの場所に位置する。
農家にとってのメリットと課題
売電契約により、農家は安定した収入源を得られる。一方で、農地を太陽光パネルに転用することへの懸念もある。地元住民からは「美しい田園風景が損なわれる」との声も聞かれる。
ウォルターさんは「農業だけでは厳しい時代。太陽光発電は新たな収入源として期待している」と話す。全米では同様の取り組みが広がりつつあり、農業とデータセンターの共生が模索されている。
今後の展望
データセンターの電力需要は今後も増加が見込まれ、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの役割はますます重要になる。農地を活用した売電事業は、地域経済の活性化にもつながる可能性がある。
一方で、送電網の整備や環境への影響など、解決すべき課題も多い。ウォルターさんの計画がどのように進展するか、注目される。



