株主総会で経営陣総入れ替え、アクティビスト社長が就任
2025年6月24日、神奈川県相模原市の電子部品メーカー、東京コスモス電機の株主総会は異例の展開を迎えた。会社提案の取締役人事が全員否決され、アクティビストファンド「アクシウム・キャピタル」の人事案が可決。経営陣が丸ごと入れ替わり、同ファンドのCEOである門田泰人氏が新社長に就任した。
1年間の改革:中期経営計画とガバナンス強化
門田氏は社長就任後、2つの大きな改革に着手した。1つ目は中期経営計画の策定だ。「新経営陣が勝手に作るのではなく、従業員の声を盛り込むことに気を使った」と門田氏は振り返る。経営幹部とは毎週議論を重ね、ランチミーティングやタウンホールミーティングを通じてほぼ全ての従業員と意見交換を行った。
2つ目はガバナンスの改善だ。従来の経営は「どんぶり勘定」で、製品ごとの利益率や顧客単位の収益性といった情報が経営陣に正確に伝わっていなかった。「どの原材料の価格がどれくらい上がったため、製品コストにどれくらい響いているか」というデータを抽出できず、原材料価格上昇の中でも価格転嫁ができなかった。そこで原価管理を徹底し、データに基づく価格交渉を可能にした。
また、営業や技術といった部門間の連携も不十分だったため、2026年1月から製品単位で各部門を一気通貫で管理する事業本部制を導入。門田氏は「まだ日は浅いが、部門間のコミュニケーションは明らかに活性化している」と評価する。
自己評価「70点」、M&Aで利益拡大へ
門田氏は自身の社長業について「70点」と自己評価。メドがついたとして2026年6月の株主総会で社長を退任し、代表取締役兼取締役会議長としてガバナンスを統括する傍ら、M&Aを所管する。「M&Aで利益を2~3倍に引き上げたい」と意欲を示す。
フォスター電機の社外取締役就任
門田氏は新たに音響機器メーカーのフォスター電機の社外取締役に就任した。「アクティビスト社長」としての経験を活かし、今度は「アクティビスト社外取」として企業価値向上に貢献する構えだ。門田氏は「フォスター電機でも、ガバナンス改革や収益性改善に取り組みたい」と語っている。



