ホルムズ海峡が事実上封鎖されてから約半年が経過し、日本の原油調達の状況が大きく変化している。貿易統計の分析によると、中東産原油の輸入が減少する一方で、米国産が急増し、不足分を補っていることが明らかになった。それでも中東はなお全体の約6割を占める最大の供給源だ。
中東依存からの転換と米国産の急増
ホルムズ海峡が2月末に事実上封鎖される前まで、日本の原油輸入はアラブ首長国連邦(UAE)とサウジアラビアを中心に中東へ9割超を依存していた。その大半はホルムズ海峡を通って日本へ運ばれていた。
しかし4月以降、状況は一変した。4月のUAEからの輸入量は3月の約4割、サウジは約3割の水準まで落ち込んだ。その後、UAEは7月に3月の約7割、サウジは約6割までそれぞれ回復した。
その穴を埋めたのが米国産原油だ。7月の輸入量は3月の約12倍に急増し、国別では米国が最大の調達先となった。
中東への依存は続く
しかし地域別では、UAEとサウジなどを足した中東がなお最大の供給源だ。国内の製油所は中東産原油を前提とした設備が多く、供給力の面でも「中東に頼らざるを得ない」(経済官庁幹部)という。米国産の輸入比率は9、10月には低下する見込みだ。
複雑化する輸送ルート
一方で、中東からの輸送ルートも変化している。東京大の渡邉英徳教授が海運データを分析したところ、3月以降、ホルムズ海峡の内外を往復して原油やナフサなどを運ぶ「シャトル船」が少なくとも16隻確認された。リベリアやUAEなどが所有するとされる。海峡外側のUAEのフジャイラ周辺などで積み替えが行われているとみられる。
封鎖前は日本のタンカーがホルムズ海峡を直接通過していたが、現在はこうしたシャトル船によるリレー輸送が確認され、調達ルートは複雑化している。



