関西発のニュースとして注目を集めているのが、不動産デベロッパーの霞ヶ関キャピタルが2027年度から新卒年収1400万円を打ち出す方針を発表したことだ。同社はホテルや物流施設の開発を手がける企業で、2011年の設立以来、土地の仕入れから開発、資産運用までを一貫して担うビジネスモデルで急成長を遂げている。2025年8月期の最終利益は102億円と、わずか3年前の10倍に拡大し、従業員349人の平均年収は1683万円に上るなど、高い収益性を誇っている。
新卒採用の狙い:日本一の人材を集める
新卒年収1400万円という破格の条件について、人事採用部の矢口太一氏(27)は「日本で一番の人材を採ることに尽きる」と説明する。PR的な意味合いで割高な給料を支払うのではなく、新卒世代で最も優秀な人材に見合った報酬を提供する方針だ。採用計画は数人から10人程度で、評価によって年収が1400万円より上下することはあるが、極端な変動は想定していないという。
従来の採用手法からの転換
これまで同社の新卒初任給は月30万円だったが、2027年度からは「日本で一番のタレントを採る」という方針に大きく舵を切る。矢口氏は「海外の有力大学に通う学生の中には、新卒で年収7000万から8000万円を提示される人材もいる。そうした優秀なタレントを仲間に加えたい」と語り、国際的な競争力を意識した戦略を打ち出している。
既存社員への影響と会社のカルチャー
新卒に高額な年収を提示することで、既存社員の士気低下が懸念されるが、人事採用部の南野創氏(45)は「能力のある人、成果を出した人にはちゃんと対価を払うのが大前提の会社だ」と強調する。年齢に関係なく、既存社員も成果を出せば昇給の機会があるとし、全社の離職率は5%を切っていると説明。スピード感のある会社風土の中で、辞めることを考える暇もない社員が圧倒的だと述べた。
従来のやり方への疑問
南野氏は、これまでの新卒採用に課題があったというより、「今まで通りのやり方を疑問を持たずにやり続ける方が怖い」と語る。新たな年収水準を打ち出したことで、特定のジャンルに秀でたユニークな人材の応募が増えており、同社のカルチャーを吸収することで新たな価値が生まれることを期待している。
海外志向の人材へのアピール
矢口氏は「優秀なタレントを集めたら何が起きるのか、という純粋な思いもある」と語り、海外を志向する人材に「日本でこの金額なら考えても良いかな」と思ってもらえるスタートラインに立ったと自信を見せる。この戦略は、グローバルな人材獲得競争の中で、日本企業としての存在感を高める試みとして注目されている。
霞ヶ関キャピタルの動きは、関西発の企業が従来の枠組みを超えて、大胆な人材戦略で成長を加速させようとする姿勢を象徴しており、今後の展開が業界内外から注目を集めている。



