東京都心のオフィス空室率が改善傾向を強めている。2025年1月の空室率は4.98%と、2022年2月以来約3年ぶりに5%を下回った。これは大手不動産仲介の三鬼商事が発表したデータで、前月比0.11ポイントの低下となった。
新規供給減少が空室率押し下げ
空室率低下の主因は新規供給の減少だ。2024年の都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の大規模オフィスビル新規供給床面積は前年比約30%減の約20万坪にとどまった。三鬼商事は「2025年も大型ビルの竣工が少なく、需給バランスが改善する」と分析する。
また、テナント需要も緩やかに回復している。2024年後半から、ITや金融業界を中心に、拡張移転や新規開設の動きが活発化。特に渋谷区や港区の最新ビルで成約が目立つ。
エリア別の動向
エリア別では、渋谷区が3.5%と最も低く、次いで港区が4.2%。一方、千代田区は5.8%とやや高いが、前年同月比では0.5ポイント改善した。新宿区も5.2%と改善傾向にある。
三鬼商事の担当者は「テレワークの定着でオフィス需要が減少すると懸念されたが、実際には対面業務やチーム連携の重要性が見直され、質の高いオフィスへの需要は底堅い」と指摘する。
今後の見通し
2025年は大規模供給が少ないため、空室率はさらに低下すると予想される。ただし、金利上昇に伴う不動産投資の減速や、企業のオフィス縮小志向が再燃するリスクもある。専門家は「当面は堅調だが、景気動向に注視が必要」と話す。



