ガソリン車の未来は?2035年規制と市場の現実
ガソリン車の未来は?2035年規制と市場の現実

日本政府は2035年までにガソリン車の新車販売を禁止する方針を掲げているが、市場の現実はこの目標と乖離している。2023年の新車販売に占める電気自動車(EV)の割合はわずか2%未満であり、普及には大きな課題が残る。

2035年規制の概要と背景

政府は2021年に「2035年までに乗用車の新車販売を全て電動車にする」目標を発表した。これはガソリン車だけでなく、ディーゼル車も含む。しかし、この目標にはハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)も含まれており、必ずしも全てがEVになるわけではない。

背景には、気候変動対策としての二酸化炭素(CO2)排出削減がある。運輸部門は日本のCO2排出量の約2割を占め、自動車の電動化は重要な柱となっている。

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市場の現実:EV普及の壁

2023年の日本の新車販売台数は約477万台で、そのうちEVは約8万8000台と1.8%に過ぎない。一方、HVは約192万台で40%を占め、依然として主流である。充電インフラの不足や車両価格の高さ、航続距離への不安がEV普及の障壁となっている。

ある自動車メーカーの幹部は「政府の目標は理想的だが、現実の市場ニーズと乖離している。消費者がEVを選ぶ環境整備が急務だ」と指摘する。

ハイブリッド車の立ち位置

HVはエンジンとモーターを併用し、燃費性能に優れる。トヨタ自動車の「プリウス」に代表されるHVは、日本市場で高いシェアを誇る。2035年規制でもHVは対象となるが、実質的にはHVの販売継続が可能とみられる。

しかし、欧州連合(EU)は2035年にHVを含む内燃機関搭載車の新車販売を事実上禁止する方針であり、国際的な規制の流れはより厳しい。日本ではHVが「移行技術」として認められるかどうかが焦点となる。

自動車メーカーの戦略

各社はEVシフトを加速させる一方、HVの改良も続ける。トヨタは2026年までにEVの世界販売を150万台に引き上げる計画だが、同時にHVの新型車も投入する。日産自動車はEVに特化した戦略を取るが、国内市場ではHVの需要が依然大きい。

ある業界アナリストは「日本の自動車メーカーはHVで培った技術をEVに応用できる強みがある。しかし、EVのコスト低減と充電インフラ整備なしには、2035年目標は非現実的だ」と述べている。

消費者の受け止め

消費者調査によると、EV購入意向がある人は約3割にとどまる。価格が同クラスのガソリン車より100万円以上高いことや、充電時間の長さが主な理由だ。一方、HVは価格面でも実用的で、多くの消費者が「次の車もHV」と回答している。

政府は購入補助金や充電インフラ整備に予算を投じているが、効果は限定的だ。2035年まで残り10年余りで、市場構造を大きく変えるにはさらなる施策が必要となる。

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