関門海峡に巨大なつり橋をかけて本州と九州を結ぶ「下関北九州道路」(下北道路)の整備事業を巡り、国土交通省の有識者会議「本州・九州連携小委員会」(委員長=羽藤英二・東大院教授)の第5回会合が16日、東京都内で開かれ、道路事業者へのヒアリングが行われた。同委は今夏中に基本方針を取りまとめる予定だ。
下北道路の位置付けと現状の課題
下北道路が実現すれば、関門海峡を結ぶ道路として、老朽化が進む関門国道トンネル(1958年開通)と関門橋(73年開通)に次ぐ3番目のルートとなる。現在、関門エリアの道路ネットワークはこの2路線に依存しており、災害や事故による通行止めのリスクが指摘されている。
同トンネルと同橋を管理する西日本高速道路は、関門エリアの道路ネットワークの脆弱さを訴え、「下北道路による東西国土軸のネットワーク強化が必要だ」と強調した。同社によると、関門国道トンネルは開通から約70年が経過し、老朽化対策が急務。また、関門橋も開通から50年以上が経過し、大規模補修が必要な状況にある。
接続課題と今後のスケジュール
一方、下北道路と接続予定の北九州都市高速を管理する福岡北九州高速道路公社は、現在の計画では下北道路と山口県側の高速道路が接続していないことを課題として指摘した。接続が実現すれば、九州と本州間の物流効率が大幅に向上すると期待されるが、現状では一部区間の未接続がネックとなっている。
有識者会議では、これらの課題を踏まえ、基本方針の取りまとめに向けた議論が続けられている。同委は今夏中に基本方針を策定し、その後、事業化に向けた詳細な検討に入る見通しだ。



