西九州新幹線未整備区間、環境アセス実施へ 佐賀知事と国交次官が合意
西九州新幹線未整備区間、環境アセス実施へ 佐賀知事ら合意

佐賀県の山口祥義知事と国土交通省の水嶋智事務次官は17日、佐賀県庁で記者会見を開き、整備のあり方が未決定の九州新幹線西九州ルートのうち、新鳥栖(佐賀県鳥栖市)―武雄温泉(同県武雄市)間について、環境影響評価(アセスメント)を実施することで合意したと発表した。

西九州ルートの現状と背景

西九州ルートは、2022年9月に武雄温泉―長崎間が西九州新幹線として開業した。しかし、新鳥栖―武雄温泉間については、国が佐賀駅(佐賀市)を通るフル規格での整備を主張する一方、佐賀県側は多額の財政負担などを理由に慎重な姿勢を崩さず、長らく協議が続いてきた。

昨年10月からは、山口知事と水嶋次官が2人での直接協議を重ねており、今回の合意はその成果と位置づけられる。環境アセスメントは、整備方式の具体化に向けた第一歩として、両者が歩み寄った形だ。

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環境アセスメントの意義と今後の展望

環境アセスメントは、新幹線建設に伴う騒音、振動、生態系への影響などを調査・評価するもので、通常はルートや工法の決定後に行われる。しかし、本件では整備方式が未定の段階での実施となり、異例の対応となる。これにより、フル規格以外の選択肢(ミニ新幹線や在来線活用など)も視野に入れた検討が可能になるとみられる。

山口知事は会見で「環境アセスを通じて、客観的なデータを基に議論を進めたい」と述べ、水嶋次官も「地域の理解を得るためにも、丁寧に進める必要がある」と応じた。両者は今後、アセス結果を踏まえて具体的な整備方式を協議する方針だ。

財政負担と地域の声

佐賀県は、フル規格での整備には約4000億円の建設費がかかり、県の財政負担が年間数十億円に上ると試算。県民の間では、受益と負担のバランスを疑問視する声も根強い。一方、沿線自治体や経済界からは早期整備を求める要望が上がっており、バランスの取れた判断が求められる。

環境アセスメントの期間は通常2~3年程度とされ、結果が出るのは早くても2028年以降となる見通し。それまでに国と県がどのような合意を形成するかが焦点となる。

今後のスケジュールと注目点

国交省は今後、環境アセスメントの具体的な調査項目や範囲を詰めるとともに、有識者会議の設置も検討する。佐賀県は、県民への説明会やパブリックコメントを実施し、透明性を確保する方針だ。

西九州ルートの全線開業は、2022年の部分開業から10年以上経過しても見通しが立っていない。今回の合意が、膠着状態の打開につながるかどうか、関係者の注目が集まっている。

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