奈良県橿原市は1日開会の市議会定例会に、関西国際空港と近鉄大和八木駅(橿原市)を結ぶリムジンバスの運行を6年ぶりに再開させるための補正予算案を提出した。運行会社の奈良交通(本社・奈良市)への負担金などを盛り込み、実現に向けて同社と協議を進める方針だ。
リムジンバスは新型コロナウイルス禍で運休したままとなっており、再開は「飛鳥・藤原の宮都」(橿原市、明日香村、桜井市)の世界遺産登録を受けた訪日客(インバウンド)らの観光需要に対応する狙いがある。
6年ぶり再開へ、実証運行を計画
奈良交通によると、リムジンバスは平成16年から運行していたが、コロナ禍の令和2年4月に運休し現在に至っている。関空と大和八木駅を1時間余りで結び、一部はJR・近鉄桜井駅(桜井市)、近鉄高田市駅(大和高田市)にも停車し、運休前は1日13往復していたが、利用が伸び悩んでいた。
大和八木駅は「飛鳥・藤原の宮都」の玄関口にあたり、橿原市は世界遺産の登録決定後の今年7月30日、奈良交通と運行に向けた協議に関する覚書を締結し、「世界遺産登録を契機とした観光需要の高まりに対応する」と明記した。
負担金800万円を計上、来年度は本格運行へ
協議は続けられているが、同市は補正予算案に運行のための奈良交通への負担金として520万円、広告などに使う利用促進費として280万円の計800万円を計上。奈良交通に12月~来年3月、関空と大和八木駅を結ぶリムジンバスを1日4往復、実証運行として再開してもらう方針だ。来年度も負担金などを支出し、本格運行につなげたいとしている。
関空から大和八木駅に電車で行くには乗り換えが必要で、2時間近くかかることもある。同市観光政策課の担当者は「リムジンバスは乗り換えがいらず、荷物の移動もスムーズ。インバウンドだけでなく国内客の需要にも応えたい」と話している。奈良交通は取材に「橿原市と協議を進めていく」としている。



