タイの自動車市場で、中国メーカーによるEV(電気自動車)シフトが加速している。2024年上半期の新車販売台数は前年同期比24%減の約30万台と低迷する一方、EV販売は好調で、中国ブランドが市場の8割以上を占める。
中国EVメーカーの攻勢
タイ自動車工業会(TAI)の発表によると、2024年1~6月のEV販売台数は約3万5000台。このうち、中国の比亜迪(BYD)が約1万6000台でトップ、続いて長城汽車(GWM)が約8000台、上海汽車(SAIC)傘下のMGが約5000台と、中国勢が上位を独占している。
タイ政府は2030年までに新車販売の30%をEVにする目標を掲げ、購入補助金や輸入関税の引き下げなど優遇策を実施。これが中国メーカーの進出を後押ししている。
日系メーカーの苦戦
一方、従来タイ市場で強みを持っていた日系メーカーは苦戦を強いられている。トヨタ自動車の2024年上半期販売台数は前年比15%減、ホンダは同40%減と大幅に落ち込んだ。日系メーカーはハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)に注力しているが、EVの品ぞろえが遅れている。
タイの自動車市場は、中国勢の低価格攻勢とEVシフトによって構造的な変革期を迎えている。日系メーカーはEVラインアップの拡充や生産コスト削減など、抜本的な対策が急務となっている。



