関西電力は、2026年度までに保有する全ての原子力発電所を再稼働させる方針を固めた。同社は現在、美浜原発3号機(福井県)、高浜原発3、4号機(同)、大飯原発3、4号機(同)の計5基を保有しており、2025年度までに美浜3号機と高浜3、4号機の再稼働を目指している。大飯3、4号機については、2026年度中の再稼働を目標とする。これにより、全5基が稼働すれば、関西電力の供給力は大幅に向上し、電力安定供給に貢献する。
安全対策工事の進捗と規制委の審査
再稼働の前提となる安全対策工事は、各原発で着実に進んでいる。関西電力は、東京電力福島第一原発事故を受けて策定された新規制基準に対応するため、防潮堤の設置やフィルターベントの整備、電源の多重化など、総額1兆円を超える安全対策投資を実施してきた。原子力規制委員会の審査では、美浜3号機と高浜3、4号機は既に合格しており、大飯3、4号機も審査中である。関西電力は「審査に協力し、早期の合格を目指す」としている。
電力需給への影響と脱炭素化の推進
全原発の再稼働により、関西電力の供給力は約500万キロワット増加する見込みだ。これは、同社の全供給力の約3割に相当し、電力需給の逼迫緩和に大きく寄与する。また、原子力発電は二酸化炭素を排出しないことから、政府が掲げる2050年カーボンニュートラル達成に向けた重要な電源となる。関西電力は「原発の再稼働は、安定供給と脱炭素化の両立に不可欠だ」と強調している。
地元自治体の理解と今後の課題
再稼働には、立地する福井県や地元自治体の同意が不可欠だ。関西電力は、安全対策の徹底や地元への経済効果などを説明し、理解を得る努力を続けている。一方で、再稼働に反対する市民団体からは「安全性の確保が不十分」との声も上がっている。関西電力は「地域の皆様のご理解をいただけるよう、丁寧な説明を続ける」としている。



