上水道未整備の福岡県うきは市、地下水保全へ「水に関する基本計画」を策定中
上水道未整備のうきは市、地下水保全へ基本計画策定中

福岡県うきは市は、豊富な地下水資源を持続可能に利活用し、保全するための「水に関する基本計画」の策定作業を進めている。同市は全国の市の中で唯一、上水道が整備されていないことで知られる。今年度中に中間報告を取りまとめる方針で、国の制度を活用して派遣される水の専門家「水循環アドバイザー」の支援を受けながら作業を進めている。今月下旬には、水循環アドバイザーが市内の河川や水関連施設を視察する予定だ。

豊富な地下水の背景

市によると、うきは市一帯の地下には約80万年前から筑後川によって運ばれた土砂が堆積し、貯水能力の高い地層が広がっている。この地層が市に豊かな地下水をもたらしている。そのため、市内の全世帯約1万1500戸の大半は、個別に井戸を掘るなどして地下水を生活用水に利用している。市が行っている上水の水道事業は現在、市営団地向けなどの簡易水道と専用水道の2事業のみで、各世帯に上水を供給する上水道事業は行っていない。簡易水道と専用水道の水源も地下水だ。

上水道整備の課題と計画の転換

地下水には水量低下や水質汚染のリスクもあることから、市は安定した質・量の上水供給を目的に2020年、小石原川ダム(朝倉市)の水利権を確保。関東地方や九州などのダム施設と水路を管理する水資源機構(さいたま市)に年間約2000万円を支払っている。しかし、上水道事業の整備を巡って市が2015年に実施した市民アンケートでは、上水道を求めた市民は3割弱にとどまった。さらに、上水道の整備事業費を試算したところ、初期投資と維持管理費(50年間)で市の負担額が計352億円に上ることも判明した。こうした事情を踏まえ、市は現在利活用している地下水を保全することをベースに基本計画を策定することにした。

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今後のスケジュールと専門家の活用

市は今年度中に中間報告を取りまとめる方針で、水循環アドバイザーの支援を受けながら計画を具体化する。今月下旬には、水循環アドバイザーが市内の河川や水関連施設を視察し、現状を把握する予定だ。計画の策定を通じて、持続可能な水資源の利活用と保全を目指す。

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