EVシフト加速で消えるガソリンスタンド、2030年に半減の試算
EVシフトでガソリンスタンド半減へ、2030年試算

EV普及がガソリンスタンド経営を直撃

電気自動車(EV)の急速な普及により、ガソリンスタンドの数が2030年までに現在の約半分にまで減少する可能性があることが、業界団体の試算で明らかになった。給油需要の減少が経営を圧迫し、特に地方の過疎地域では燃料供給の拠点が失われるリスクが高まっている。

給油需要の減少と事業撤退の加速

日本エネルギー経済研究所の調査によると、2025年時点で全国に約2万8000カ所あるガソリンスタンドは、2030年には1万5000カ所未満に減少する見通しだ。この背景には、EV販売台数の増加と燃費向上によるガソリン消費量の減少がある。経済産業省のデータでは、2023年の新車販売に占めるEVの割合は約2%だが、2030年には20〜30%に達すると予測されている。

ガソリンスタンドの経営者は「給油量が年々減少し、採算が取れなくなっている」と語る。特に人口減少が進む地方では、1日の来客数が10台を切る店舗も少なくない。全国石油商業組合連合会の担当者は「今後5年で3割以上の事業者が廃業を検討している」と指摘する。

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過疎地でのエネルギー供給網の崩壊リスク

ガソリンスタンドの減少は、単に給油の不便さだけでなく、災害時の燃料供給や地域の物流にも深刻な影響を及ぼす。国土交通省の試算では、ガソリンスタンドがなくなることで、過疎地の約200万人が最寄りの給油所まで30分以上かかる「燃料難民」となる可能性がある。

また、ガソリンスタンドは灯油の販売や、軽油の供給も担っており、農業や漁業への影響も懸念される。北海道のある町では、唯一のガソリンスタンドが閉鎖したことで、住民が灯油を購入するために片道1時間かけて隣町まで行かなければならなくなった。

政府と業界の対応策

こうした事態を受け、経済産業省は2024年度から、過疎地のガソリンスタンド維持に向けた補助金制度を拡充する方針だ。具体的には、設備更新やEV充電インフラの併設に対する補助金を増額し、事業継続を支援する。

一方で、石油元売り各社は、ガソリンスタンドをEV充電ステーションや水素ステーションに転換する動きを加速させている。出光興産は2030年までに全国の系列スタンドの半数に急速充電器を設置する計画を発表した。しかし、充電インフラの整備には多額の投資が必要で、採算性の課題は残る。

地域コミュニティへの影響と今後の展望

ガソリンスタンドは、単なる燃料供給施設ではなく、地域のコミュニティの場としての役割も果たしてきた。閉鎖が進めば、買い物や情報交換の場が失われることにもつながる。

専門家は「EVシフトは避けられないが、エネルギー転換を地域の持続可能性と両立させる仕組み作りが急務だ」と指摘する。政府と自治体、事業者が連携し、過疎地でも安心して暮らせるエネルギー環境を整備することが求められている。

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