金利上昇で得する人、沈む人:1500万円の寿命を17年延ばす取り崩し術
金利上昇で得する人、沈む人:1500万円の寿命を17年延ばす術

認定ファイナンシャルプランナー(CFP)の岩城みずほ氏は、金利上昇が進む現在、資産運用の新たな常識が求められていると指摘する。特に、退職後の資産取り崩し期において、運用を継続することで資金の寿命を大幅に延ばせるという。本記事では、1500万円を元手に毎月6万円を取り崩す場合、運用の有無で資金が尽きる時期が17年も変わる具体例を示す。

資産形成の最終ゴールは使い方にある

岩城氏は、資産形成の真の目的は目標金額に到達することだけでなく、その後の人生でどう活用するかが重要だと強調する。「60歳で運用経験がなくても、80歳までにはまだ20年ある。20年は運用にとって短くない時間です。退職金などで余裕資金ができたなら、その一部を運用に回すことは十分に理にかないます」と語る。

現役引退後、多くの人は年金と資産の取り崩しで生活するが、岩城氏によれば、多くの人が運用をやめて全額を普通預金に移してしまうという。しかし、取り崩し中も運用を続けることで、資金の寿命は大きく変わる。

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1500万円の取り崩しシミュレーション

具体的な数字で見てみよう。手元の1500万円から毎月6万円(年間72万円)を取り崩す場合、全く運用せずに取り崩すだけなら、計算上は20年10カ月で資金が尽きる。65歳から始めれば、85歳を過ぎたあたりで蓄えがなくなる計算だ。しかし、運用を続ければ、資金の寿命は17年延び、102歳まで持つ可能性があるという。

岩城氏は「長く生きるほど自分の寿命より先に資産が尽きる不安が迫ります。運用を手放さないことで、そのリスクを大幅に減らせる」と説明する。

金利上昇で利息を味方に

現在の金利上昇局面は、預金や債券の利息が増えるため、取り崩し期の運用に有利に働く。岩城氏は「30年ぶりの金利上昇で、利息で資産を増やす新常識が生まれている」と指摘。従来の低金利時代とは異なり、安全資産でも一定のリターンが期待できるため、リスクを取りすぎない運用が可能だ。

ただし、岩城氏は「値動きのある資産への不安はよくわかります」と理解を示しつつ、完全に運用から撤退するのではなく、リスクを抑えた分散投資を推奨している。

老後資金の新常識

この記事は、プレジデント誌2026年7月17日号の特集「金利上昇で得する人、沈む人」の一部であり、有料会員向けに全文が公開されている。岩城氏は、特定の金融商品に偏らない「腹黒くないFP」として知られ、個人の家計相談や法人向けコンサルティングを行っている。

老後2000万円問題が叫ばれる中、資産の取り崩し方次第で資金の寿命が大きく変わる点は、多くの読者にとって有益な情報と言えるだろう。

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