日本の大型ロケットの打ち上げが安定を取り戻しつつある。宇宙航空研究開発機構(JAXA)などが開発した大型主力ロケット「H3」が打ち上げられ、内閣府の測位衛星「みちびき」を予定の軌道に投入した。
みちびきは位置情報を少ない誤差で測定でき、地図アプリやカーナビ、車の自動運転などに利用される。位置情報を地上に常時届けるには7基が必要だが、これで6基体制となった。
打ち上げ成功率は78%に
H3は退役したH2Aの後継機で、打ち上げ費用を半額に抑える目標を掲げている。2023年の初回失敗後、5回連続で成功したが、昨年12月に再び失敗。今回は今年6月に続く2回連続の成功で、安定運用への兆しが見えてきた。
ただ、ロケット打ち上げでは成功率95%以上が国際的な信頼性の目安とされる。米宇宙企業スペースXの「ファルコン9」は成功率99%を上回り、欧州の「アリアン6」は8回全て成功。一方、H3は今回を含めても78%にとどまる。
再使用型開発が競争力の鍵
競争力を高めるには低コスト化も欠かせない。H3は自動車用部品や3Dプリンターを活用して価格を抑える。世界ではスペースXが再使用型ロケットを実用化し、通算600回の再使用を達成している。
JAXAは7月、再使用型の小型ロケットの離着陸試験を実施した。本田技術研究所なども再使用型の開発を進めるほか、独仏との共同開発計画もある。
宇宙産業の市場規模は今後10年間で約3倍の300兆円近くに達する試算がある。国産ロケットが官需に頼る現状から脱却しなければ、日本は国際競争から置き去りにされる。



