日本の大型主力ロケット「H3」の9号機が11日、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、内閣府の測位衛星「みちびき7号機」を正常に分離した。H3は昨年12月の打ち上げ失敗を経て、今年6月からの連続成功で、政府の衛星を優先的に打ち上げる国の「基幹ロケット」として本格復帰した。
打ち上げの詳細
宇宙航空研究開発機構(JAXA)などによると、9号機(全長約57メートル)は同日午前4時23分に予定通り打ち上げられ、発射から約29分後に目標の高度約403キロ・メートル付近で衛星を分離した。衛星は太陽光パネルを展開し、発電を正常に開始した。
衛星は今後、自機のエンジンを噴射して高度を上げ、約2週間後には高度約3万6000キロ・メートルに到達。機能確認などを経て、約7か月後に運用を始める。
成功率と復帰の経緯
今回の打ち上げで、H3の成功率は9機中7機の77・8%になった。H3は昨年12月の打ち上げに失敗し、搭載した「みちびき5号機」を喪失。以来、日本は衛星などを自力で宇宙に送る手段を失う深刻な事態に陥った。
その後の調査で、衛星を載せる台座の接着部に剥離が生じ、強度不足で台座が破損したことが判明。対策を施した今年6月の打ち上げに成功した。この時は、補助ロケットブースターを使わず、主エンジン3基で飛ぶ「30形態」と呼ばれる初飛行の試験機で、大学などが開発した小型の「副衛星」を載せていた。
標準形態での成功と今後の展望
今回はブースター2本、主エンジン2基の「22形態」と呼ばれる標準タイプで、昨年12月に失敗した機体と同形態だ。搭載したみちびき7号機は重さが約5トンある大型の「主衛星」で、試験機ではない22形態による打ち上げ成功により、H3は基幹ロケットとして本格復帰した形となる。
11日に記者会見したJAXAの有田誠プロジェクトマネージャは「海外のロケットと最も競合しうる形態の成功で、H3の国際競争力向上に向けた一番の要素が復活した」と話した。
一方、今回の打ち上げで、みちびきは計6基体制となる。政府は、米国が運用するGPSなど他国の測位衛星に依存せず、日本単独で高精度な位置情報を提供できる7基体制の完成を目指している。ただ昨年の打ち上げ失敗で、当初は今年中だった完成時期は遅れ、早くても2031年度になる見通しだ。



