H3ロケット9号機の打ち上げが11日に成功し、昨年12月の8号機失敗で途切れていた標準型の機体「22形態」の運用が約8カ月ぶりに再開した。日本の主力大型ロケットとして、H3が「平常モード」に復帰した意義は大きい。
H3ロケットの標準型とは
H3は、急拡大する宇宙輸送の需要を獲得すべく、打ち上げ費が安くて使いやすいロケットとして開発された。機体は主エンジンと補助エンジンの組み合わせで3種類に分けられ、いずれも2基ずつの22形態が、これまでの打ち上げの大半を占める標準型となる。
失敗した8号機は今回の9号機と同じ22形態だった。失敗後、今年6月に6号機が成功したが、主エンジン3基だけで飛ぶ30形態だった。標準型が安定して飛ばなければ、政府の重要衛星を着実に運ぶことや、打ち上げ市場で顧客を獲得することは難しい。
信頼回復への課題
むろん、1回の成功だけで傷ついた信頼が戻るわけもなく、失われた衛星は二度と戻ってこない。H3の成功率は77.7%にとどまり、昨年引退した主力大型ロケット「H2A」の98%とは大きな差がある。
ロケットの信頼は成功を積み重ねることでしか築けず、後続機を着実に打ち上げて実績を示す必要がある。今回の成功は、H3が日本の宇宙輸送を担い、世界の打ち上げ市場で選ばれるロケットになるための再出発にすぎない。



