鹿児島県・奄美大島近海の海底で、フグの一種アマミホシゾラフグ(学名:Torquigener albomaculosus)が作り出す、直径約2メートルの神秘的な幾何学模様の産卵床が確認された。その精巧で美しい形状から「海底のミステリーサークル」として知られている。
発見の経緯と繁殖行動
2026年7月8日、水深29メートルの砂地の海底で、奄美海洋生物研究会(奄美市)の興克樹会長らが完成した産卵床を発見。翌9日午前7時ごろには、この産卵床に引き寄せられたメスが中心部に産卵し、オスが放精する様子が観察された。
産卵後、オスは約1週間、卵が孵化するまで献身的に守り続ける。興会長によると、繁殖期は4月から7月で、この期間中、オスは月に約2回のペースで産卵床を新たに構築するという。
ミステリーサークルの構造と役割
産卵床は、中心から放射状に延びる溝と、その周囲を囲む複雑な模様で構成される。この構造は、水流を利用して卵に酸素を供給したり、捕食者から卵を隠す効果があると考えられている。また、メスを引き寄せるための視覚的なシグナルとしても機能する。
アマミホシゾラフグは、2014年に新種として記載された比較的新しい種で、そのユニークな繁殖行動は世界的に注目を集めている。この発見は、海洋生物の生態解明に貢献するとともに、奄美大島の豊かな海の魅力を再認識させるものとなった。



