サツマイモの魅力「開拓」…IMOベーション社長、松本浩司さん(旭川市)
サツマイモの魅力「開拓」…IMOベーション社長、松本浩司さん

かつて道内では育てにくいとされていたが、温暖化や栽培技術の向上などによって作付面積や収穫量が拡大しているサツマイモ。その魅力を「さつまいも王子」として発信し続けているのが、旭川市の松本浩司さんだ。

元新聞記者が「プレーヤー」に転身

松本さんは元新聞記者。愛知県や静岡県などで様々な分野で活躍する人を取材する中で、「自分も第三者的な立場でなく、プレーヤーになりたい」との願望が芽生えた。家族の理解を得て2018年に旭川市へ移住し、ゲストハウスの経営やライター業を始めた。

高校時代に道東を中心に旅をして地元の人たちと触れ合った体験が原点で、北海道には「広く、おおらかで自分のアイデアを実現できる」というイメージを抱いていた。旭川も旅行で訪れた土地で、「伸びしろがあり、いろんなことを楽しくできそうだ」と選んだ。ゲストハウスの客室は3棟。旅人との交流で新しいつながりや発見があり、自分も旅した気分になれるという。

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「可能性に満ちた作物」と実感

サツマイモの魅力を知ったのは数年前、広報誌のサツマイモ特集を担当した時だった。「栽培に手間がかからず、栄養価が高く、焼き芋やスイートポテトなど加工の幅も広い。可能性に満ちた作物だ」と実感。2025年にイノベーション(革新)をもじった株式会社IMOベーションを設立した。

旭川市永山地区に借りた約3000平方メートルの畑では、市民らがサツマイモを育てる体験型企画「シェアファーム」を実施している。2年目の今年は、6月に計約200人が「べにはるか」や「シルクスイート」などの苗を植えた。新潟県出身で同市在住の80歳代女性は「50年前に北海道に来た時はサツマイモは取れない土地だと思っていた。実りの秋が楽しみ」と声を弾ませた。

現在、畑は青々とした葉で覆われ、10月上旬から中旬に収穫が行われる予定。イモを持ち寄って料理するイベントも企画している。

廃校舎で干し芋製造、新商品も開発中

比布町内に借りた廃校舎では、上川管内の農家から仕入れたサツマイモを保管して干し芋を作り、今年から同市や札幌市内で販売を始めた。特色を出そうと、旭川家具の端材を使って燻製にするなど工夫を凝らす。

干し芋の残りを活用した茶や、地元の高校と共同でサツマイモで作った麹を入れたプリンも開発中。3年後には売り上げ1000万円台を達成したい考えだ。

こうした事業や消費者らにサツマイモを身近に感じてもらう取り組みを「イモ活」と呼んでいる。「イモ活をねっとりと広め、あらゆる人やモノ、コトを掛け合わせ、サツマイモの楽しみ方をアップデートしていきたい」と話す。

松本浩司さんは1984年、兵庫県西宮市出身。慶応大卒。中日新聞社に約10年間勤めた後、旭川市に移住し、「旭川公園ゲストハウス」を始めた。現在はライター業とIMOベーションの「3足のわらじ」生活。妻と子供3人の5人暮らし。

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