世界の平均気温、産業革命前から1.5度上昇 初の12カ月連続で突破
世界平均気温、産業革命前から1.5度上昇 初の12カ月連続

欧州連合(EU)の気候変動観測機関「コペルニクス気候変動サービス(C3S)」は、世界の平均気温が産業革命前の水準を1.5度上回る状態が、初めて12カ月連続で続いたと発表した。このデータは、地球温暖化が深刻な段階に達していることを示している。

記録的な高温の連続

C3Sによると、2023年7月から2024年6月までの12カ月間の世界平均気温は、産業革命前(1850~1900年)の平均と比較して1.5度高かった。これは、2015年のパリ協定で掲げられた「気温上昇を1.5度に抑える」という目標を、一時的ではあるが超えていることを意味する。

C3Sの局長カルロ・ブオンテンポ氏は「これは単なる統計上の数字ではない。私たちの生活や経済に深刻な影響を及ぼしている」と述べた。また、「温室効果ガスの排出を迅速に削減しなければ、気温上昇はさらに加速する」と警告した。

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地域別の影響

特に欧州では、平均気温の上昇が顕著で、2023年は観測史上最も暑い夏を記録した。熱波や干ばつが頻発し、農業や水供給に大きな打撃を与えている。また、北極圏の氷床の融解も加速しており、海面上昇のリスクが高まっている。

一方、アジアやアフリカでも異常気象が相次ぎ、洪水や熱波による死者が増加している。気候変動は、食料安全保障や水資源、健康面でも深刻な脅威となっている。

パリ協定の目標との関係

パリ協定では、世界の平均気温上昇を産業革命前から2度未満に抑え、できれば1.5度に抑える努力をすることが目標とされている。今回のデータは、この目標が危機的な状況にあることを示している。ただし、1.5度の上昇が12カ月間続いたことは、長期的な目標の達成が不可能になったわけではない。気候科学者らは、今後数十年にわたって排出量を大幅に削減すれば、気温上昇を抑えられる可能性があると指摘している。

国際エネルギー機関(IEA)は、再生可能エネルギーへの移行を加速する必要性を強調している。太陽光や風力などのクリーンエネルギーへの投資が増加しているものの、化石燃料の使用削減は十分ではない。

今後の見通し

C3Sは、エルニーニョ現象の影響が薄れるにつれて、気温上昇が一時的に鈍化する可能性があると予測している。しかし、長期的な温暖化傾向は変わらず、温室効果ガスの排出削減が急務であるとしている。

国連のグテーレス事務総長は「私たちは気候変動の瀬戸際に立っている。行動を起こさなければ、取り返しのつかない事態を招く」と警告している。各国政府は、2025年までに新たな気候変動対策を提出することが求められている。

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