廃棄物から再エネ採取の精華町企業、ウクライナの技術コンテストで優勝
廃棄物から再エネ採取の精華町企業、ウクライナの技術コンテストで優勝

廃プラスチックを燃焼分解し、水素やメタンなどの再生可能エネルギーを取り出す技術を持つ化学系スタートアップ「AC Biode(エーシー・バイオード)」(精華町)が、ウクライナ国立技術大が初めて開催した技術力コンテストで優勝した。同社は戦時下のウクライナで経済復興に協力している。

独自触媒で燃焼温度を約200度に低減

AC社の技術は、廃プラスチックを燃焼分解し、水素やメタンなどの再生可能エネルギーを取り出すもの。通常は1000度以上の燃焼温度が必要だが、独自の化学触媒を加えることで約200度まで引き下げることが可能になり、二酸化炭素の排出量削減に役立つのがポイントだ。

4月に初開催されたコンテストは、ウクライナの戦後復興に向け、同国内外のスタートアップと投資家をつなぐのが目的。14か国の126チームが3テーマで競い、AC社は「再生可能エネルギー」の部にオンライン参加した。現実的で拡張性のある点が評価されて優勝し、久保直嗣社長(43)は「日本の技術力を示せて光栄。私たちの技術が復興に役立てば」と受賞を喜ぶ。

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ウクライナの農業廃棄物リサイクルへ

AC社は、久保さんが総合商社での10年以上の勤務を経て、留学先の英ケンブリッジ大で知り合った海外の仲間と2019年に設立。現在は東京、ルクセンブルク、京都に拠点を持つ。

商社時代にウクライナの企業との取引があった縁で、AC社は日本主導で24年にあった「日・ウクライナ経済復興推進会議」に日本側の1社として参加。農業大国のウクライナを支える覚書を農業政策・食料省(日本の農林水産省に相当)と結び、農業廃棄物リサイクルなどの準備を進める。

久保さんは同省の関係者とオンラインを中心にやり取りを進めてきたが、対面での説明などが必要になり、2月上旬、1週間ほど首都キーウに滞在した。

キーウで見た戦争の傷痕と日常

日本政府はウクライナへの渡航を制限しているため、外務省の特別許可を得てポーランドから鉄道で入国。キーウの駅に到着すると、民間の警備会社による武装警護が付いた。

キーウと京都市は姉妹都市提携を結んでおり、キーウ市庁舎では提携担当者とも交流。市内には戦火で焼け焦げた車などが残り、侵略戦争の傷痕とともに日常があることに改めて驚いたという。

人の営みが通常と変わらない一方、「ミサイルやドローン攻撃を伝える警告音が鳴ると、地下シェルターに避難しなければならない。滞在中は眠ることができなかった」と振り返る久保さん。「現地の人々の苦労が身にしみた。一日も早く戦争が終結し、復興のお手伝いができれば」と願う。

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