研究者人生すごろく、産総研四国センターが製作 悲哀とやりがい58マス
研究者人生すごろく、産総研四国センターが製作 悲哀とやりがい58マス

国立研究開発法人・産業技術総合研究所(産総研)の四国センター(高松市林町)が、「研究者人生」をテーマにしたすごろくを製作し、7日のイベントで披露した。マス目ごとに研究でのやりがいや悲哀を感じた体験を基にしたエピソードを盛り込んだ。所属する研究者を紹介するカードも作り、来場者に配った。(黒川絵理)

研究者を紹介したカード

同センターは国内12か所にある産総研の拠点の一つで、ヘルスケア分野を担当している。約30人の研究者が在籍する。

すごろくは、産総研関西センター(大阪府)の職員らが2024年にイベントでお披露目し、好評を博したため、今年、「四国センター版」を作った。研究者の体験談などを58個のマス目に表現。プレーヤーは自らコマとなってサイコロを振り、床に貼り付けたマス目を進む。マス目ごとにポイントが増減し、ゴール時点でのポイント数を競う。

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高松市地図

スタートは大学入学。次のマス目は「ノーベル賞受賞パーティーで社交ダンスが必須と知り、競技ダンス部に入部する」だ。初の学会で発表用ポスターを忘れたり、教授に何度も質問して冷たく対応されたりと苦難が多い。

産総研に入ると、「学会で若手奨励賞をもらう」「企業と共同研究の契約」と順調だ。「失敗したと思った実験が発明につながった」など思わぬ進展も。大石勲・四国センター所長が寄せたエピソード「研究内容が高校の生物教科書の副読本に掲載された」のほか、「試薬が法改正で毒劇物に指定される」「雨漏りから研究試料を退避させる」など多忙な日々を想像させる目も並ぶ。

人々を笑わせ、考えさせる優れた研究を顕彰する「イグ・ノーベル賞」も終盤に登場。産総研の研究者が12年、しゃべっている人を黙らせる装置の開発で受賞したことを紹介する。

7日のイベント

7日のイベントでは、多くの親子連れらが来場。すごろくコーナーで子どもらがサイコロを振り、ポイントが増えると「やった」などと歓声を上げ、マス目の内容に「リアル」と漏らす保護者もいた。

高松市の小学5年(11)はマス目を見て、「『アメリカの研究所に留学し、仮説を証明してドイツ人研究者と喜ぶ』がすごいと思った。科学者の人生は大変だけど面白そう」と笑顔を見せた。

研究者カードも

研究者カードは22年に産総研つくばセンター(茨城県)の職員が考案。四国センターは7種類計1400枚を作成した。実験器具などを手にする研究者をプロのカメラマンが撮影した写真を掲載し、研究内容や気分転換の方法も記される。イベントで研究者本人に質問すれば、1枚もらえる。

筋肉や骨をつなぐ「腱(けん)」を研究する土屋吉史・主任研究員のカードでは「腱は健康によい薬のような物質を作っているかもしれない」と紹介。「腱の力で病で苦しむ人を1人でも救う」と説明する。気分転換は「(子どもとの)仮面ライダーごっこ」だ。

イベントに訪れた別の高松市の小学5年(11)は、心拍数を測りながら腕相撲するコーナーで土田和可子・主任研究員と対戦。研究者カードをもらい、「優しく話してくれ、腕相撲も強かった。実験が好きで、将来は研究者になりたい」と話した。

土田主任研究員は「体内の動きや働きを解明している。身近に感じ、科学って面白いと思ってもらえたならうれしい」と喜んだ。

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